今週は、去年に対面で指した対局からになります。
対局振り返り
本局は自分が先手番です。一手損角換わりの出だしとなり、後手は相手の十八番である右玉に構えました。
第1図の先手陣は対右玉における鉄板陣形で、次に▲９八香〜▲９九飛が実現できれば打開できます。そこで実戦は△２二角と打ってきました。対して△６五歩〜△６六歩の防ぎと将来の端攻めを視野に▲４八角と打ち返しました。そこで△８五桂と跳ねてきたのですが、▲同桂と取り、△同飛に▲３五歩とすれば主導権を握れていたようです。△同歩なら▲４五桂△４四銀▲３四桂（参考A図）が厳しいですね。
実戦は△８五桂に▲８六歩△７七桂成▲同金△７三桂▲７八玉と角筋を避けて受ける方針を採りました。これも難しい戦いです。
第2図から少し進み第3図ですが、▲６六金と上がったのがあまり良くない受け方で、ここでは後手が指しやすくなっています。
ちょいワルな局面からどうやって難しくするかですが、一例として、第3図から▲７五歩△６五歩▲７六金△７五歩▲同角△７四歩▲８四桂△８三玉▲５三角成△同金▲４五桂（参考B図）とする手順は有力かもしれません。駒損でも駒効率重視で、とにかく相手玉が見える形を目指すのは悪いときの必修テクニックです。実は参考B図は△６四金と上がられてむしろ形勢が悪化しているのですが、▲５三桂成〜▲６三成桂があり、一手間違えればすぐにひっくり返ります。
実戦は▲第3図から▲４五桂としました。これには△６五歩で咎められていましたが△４二銀と引いてくれたので一気に難しくなりました。これも一種の勝負手です。
ところが直後の▲７七桂がはっきり悪手で、△６五歩▲同桂△同桂▲同金△６四歩▲６六金に△４四歩（第4図）と丁寧に受けられて俄然苦しいです。▲７七桂では▲６四歩と取り、△同銀左▲７五歩△同銀▲同金△同歩に▲５五歩（参考C図）が手筋の受け。放っておけば▲７四歩があり、△同角は▲６六銀打で弾けます。
苦しい先手は端に手を付けて攻め形を作りに行きます。第5図は△６五桂と打たれたところですが、これには▲同金△同歩▲９三角成（参考D図）と二枚替えでき、これは先手が急に息を吹き返し案件です。
しかし対局中はそれに気づかず▲７六玉。△７三金にそこで▲６五金と取りましたが△８四桂▲７七玉△６五歩（第6図）で、参考D図と比較しても明らかに損な取引です。対局中は▲７六玉しかないと思っていたんですがかなり初歩的なミスをしていましたね…
第7図から少し進み第8図は終盤戦。相手にも小ミスがあり、形勢は混沌としています。▲７四歩に△同銀と取ってきて銀の利きが外れたので▲５二桂成としましたが、ここは▲７五歩と抑えておきたかったです。△６三銀なら▲９二角（参考E図）で先手が指せます。
▲５二桂成が緩手なのは、△７七歩成▲同玉△６九飛（参考F図）という寄せの網を絞る順があったためです。こうなると急に玉が狭くなり、△７六歩や△７九飛成が厳しすぎてこれは先手が負けていました。
実戦は△７七歩成ではなく△７七金でしたが敗着。▲５七玉△７五桂に▲３七角（第8図）が激痛で、△８三玉▲７二角まで勝ち。桂を打たなければ▲３七角に△６四桂が打てますが、手の流れ的に攻めるのが自然であり、▲３七角も盲点になるような手なので仕方ないと思います。
最後に評価グラフです。
