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今回は、前回予告した通り、第43図から▲6六角と打つ手から考察します。
第43図からの指し手①
▲6六角(第44図)△同飛▲同歩△9四角▲6八玉△2五歩▲2八飛△9五角(第45図)
後手が△7五歩▲同歩△8六歩〜△7六飛と仕掛けたタイミングで、先手は▲3三角成〜▲6六角(第44図)と反発してきました。この▲6六角は、△4四角、△8八歩、△7五飛を同時に受けた意味で、味の良い受けに見えます。しかし、これにはバッサリ△同飛と取ってしまうのが好手です。
▲同歩には△9四角と打つのが受けにくい角筋になっています。(1)▲6七金は△8八歩、(2)▲4八玉は△1五角、(3)▲6九玉は△4五桂がいずれも厳しいため、(4)▲6八玉が最善ですが、△2五歩▲2八飛を入れてから△9五角(第45図)が第二弾の角打ちです。
第45図からの指し手
▲8六歩△同角▲7七金△同角成▲同玉△6七金▲8七玉△6六金(結果15図)
角の王手に対して、▲7七桂は△7六歩でまずく、他には単に▲7七金と受けると前譜△2五歩▲2八飛の効果で△7三角(参考19図)が飛車当たりになります。▲3七桂には△同角成▲同銀△4九角成で必勝です。なお、▲2八飛に代えて▲2七飛もありますが、やはり△9五角▲7七金△7三角、あるいは単に△7三角や△5五角とこのラインを狙えばよいです。
本譜は▲8六歩と近づけてから▲7七金と受けてきましたが、これにはバッサリ行きましょう。結果15図は後手の攻めは細いようでも先手玉も薄く、△6七角成や△8六歩などで攻めは繋がります。
第43図からの指し手②
▲7七金(第46図)△2五歩▲1六飛△7五飛▲3五歩△7四飛▲5六角△7五飛(結果16図)
第43図に戻り、△7六飛に▲7七金(第46図)と力強く金を上がる手を見ていきます。△7五飛は許しますが、元々突き捨てた歩なので歩の損得はありません。後手は△7五飛の前に△2五歩で飛車に打診しておきます。▲2八飛は△5五角、▲2七飛は△3六飛があり、単に△7五飛とするより得です。
△7五飛には先手は▲3五歩と突きます。▲3四歩の桂頭攻めと飛車の可動域を広くして味が良いです。△同飛には▲4六角があるので後手は△7四飛で桂頭攻めに備えます。そこで先手は飛車を良いポジションに持っていきたいのですが、▲8六飛は△6四角、▲5六飛は△7三桂で7七金の悪形を咎められそうなので▲5六角で攻めるくらい。
△7五飛(結果16図)は、▲3四歩に△4五桂を用意した逃げ場所です。この局面は、「先手に角を打たせた」という点と、△5五角や△2八角で駒得の実利が見込めるという点で後手持ちと言えます。
次回は、少し局面を戻し、△7六飛に▲7七角と上がる変化を考察します。