後手横歩取り(対▲3六飛型)の研究12

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今回は、前回予告した通り、第52図から▲2五歩と打つ手から考察します。

 

再掲第52図

 

第52図からの指し手①

▲2五歩(第53図)△同飛(第54図)▲2六歩(第55図)△3五飛▲3三角成△同桂▲4六角(第56図)

左:第53図 右:第54図
左:第55図 右:第56図

次に△2八飛成があるのでどうするか、というところですが、▲2七歩は△2八歩、▲2六歩は△2七歩があるため、2筋を受けるなら▲2五歩(第53図)と先手を取って受けるしかありません。

△同飛(第54図)に、まずは自然に▲2六歩(第55図)と受ける手を見ていきますが、これはやや疑問。△3五飛とぱくぱく歩を食べておきます。先手は角を替えて▲4六角(第56図)に期待しますが…

第56図からの指し手

△3六飛▲7二飛成△同金▲9一角成△7三桂▲7四歩△6五桂(結果19図)

左:結果19図(-554) 右:参考21図

飛車香両取りでまずそうですが、△3六飛が▲9一角成に△7六飛の素抜きを用意したピッタリの逃げ場所です。これに▲3七銀と飛車を取りに行くのは△4六飛と切ってしまい、▲同歩なら△6五角、▲同飛や▲同銀なら△2七角の要領で後手優勢です。かといって何もしないと△7三歩と打たれて攻めが止まってしまいます。

よって▲7二飛成〜▲9一角成と二枚替えをしてなんとか攻めをつなげようとしますが、自然に△7三桂〜△6五桂と活用した結果19図は後手の調子が良いです。以下、仮に▲7三歩成なら△5七桂成▲同玉△5六飛打▲4八玉△5七角(参考21図)で必勝形になります。

 

第54図からの指し手②

▲3三角成(第57図)△同桂▲8二角△2七歩▲2六歩△2四飛▲9一角成△7三歩(結果20図)

左:第57図 右:参考22図

結果20図(-138)

飛車取りに▲2六歩と連打するのは後手が良くなりました。修正案として第54図から▲3三角成(第57図)〜▲8二角という手順があり、どうやらこれが最善のようです。対して△2七歩は感触の良い垂らしで一回入れておきたいです。

▲2六歩には△3五飛と歩を取り、▲9一角成△2八角▲3七香△3六歩(参考22図)と進めるのも有力で、以下▲7三歩△3七歩成▲7二歩成・・・から激しい攻め合いが予想され、攻めが得意な人はこの順を選ぶと良いでしょう。

本譜は▲2六歩に△2四飛と引き、▲9一角成に△7三歩(結果20図)と大駒の利きを遮断する順です。先手は香得しましたが、馬が狭いのと2七の歩が存在感があり、これは互角の勝負です。以下▲8二香は△2八歩成、▲3七銀は△4五桂といった具合で激戦だと思います。

 

 

次回は、第52図から▲3三角成とする手から考察します。