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今回は、前回予告した通り、△7三桂に▲1六歩とする手から考察します。
第21図からの指し手②
▲1六歩(第27図)△1四歩(第28図)▲3六歩(第29図)
先手は▲3六歩の前にもう一工夫、▲1六歩(第27図)△1四歩(第28図)の交換を入れてみます。これならば、例の進行(△8八飛成〜△5五角打)を辿ったときに、△1五角(結果8図)という手がなくなります。
第29図からの指し手
△8六歩▲同歩△同飛▲3五歩△8八飛成▲同銀△5五角打▲7七桂△1九角成▲3七桂△2五歩(結果10図)
後手はそれでも△8六歩で良いです。例の進行をだどり、△1五角は消されましたが、代わりに△2五歩(結果10図)という手が激痛です。以下、(1)▲同飛は△2四香、(2)▲同桂は△4四角として次に△2四歩狙い、(3)▲5六飛は△2九馬▲3九金△同馬▲同銀△5四香(参考13図)から飛車を追っておけば後手が良くなります。
第28図からの指し手②
▲1五歩(第30図)△2五歩▲同飛△1五歩▲2六飛△2三銀(結果11図)
続いて、▲1六歩△1四歩に、いきなり▲1五歩(第30図)と仕掛ける手を見ていきます。これも先手横歩の狙い筋の一つで、これを△同歩と取ると、▲1二歩△同香▲3三角成△同桂▲2一角(参考14図)で先手成功です。
後手はこの順は食らってはいけないので、▲1五歩を取る前に△2五歩▲同飛を利かせておきます。これを入れておけば▲3三角成に△同桂が飛車当たりになるので受けが間に合います。
本譜は先手が▲2六飛と落ち着かせたので、後手も△2三銀(結果11図)と整えておいてこれからの将棋でしょう。
第21図からの指し手③
▲3三角成(第31図)△同桂▲8八銀△1四歩▲1六歩△4四角(第32図)
△7三桂には▲3三角成(第31図)と角を替える手もあります。狙いは分かりづらいですが、将来は桂頭攻めを含みに攻めを組み立てる心積もりです。
▲8八銀に後手は△1四歩▲1六歩の交換を入れてから△4四角と設置するのが良いです。端歩の交換は何気ないですが、後々効果が現れます。
△4四角に対する先手の応手は次回に見ていこうと思います。
次回は、△4四角に▲2八飛と逃げる変化から考察します。そして今年の更新は最後になります。次回は新年にお会いしましょう!