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今回は予告した通り、△5五角打に▲7七桂と受ける変化から考察します。
第10図からの指し手①
▲7七桂(第11図)△8七歩▲7九銀△7七角成▲同金△同角成(結果3図)
先手が▲7七桂(第11図)と銀を守ってきました。これに△1九角成と香車を取るのも有力で、これは別の変化のときに解説します。
この局面なら△8七歩がより激痛で、▲同銀は△7七角成、▲同金でも△8六歩があります。▲7九銀と引いて馬を作られたときの銀の当たりは回避しておきますが、結果3図は次に△8八歩成や△9九馬などがわかりやすく、後手優勢です。先手は大駒の有効な使い道がありません。
第10図からの指し手②
▲8三歩△2五歩▲同飛△8八角成▲同金△同角成▲8二歩成△7三銀(第13図)
第10図に戻り、先手としては両取りを受けても結局受からないため、両取り逃げるべからずに則り▲8三歩(第12図)と攻め合う手は考えられます。
対して一度△2五歩と打つのがポイントで、飛車の利きを縦横どちらか一方にしておきます。頻出手筋なので覚えておきたいですね。
▲2五同飛と取らせてから二枚替えを行います。先手は先程に比べ銀損しましたがその分を待望の▲8二歩成でカバーしてきます。
第13図からの指し手
▲7二角△8二銀▲8一角成△7一金▲8二馬△同金▲8五飛△5五角(結果4図)
第13図から▲9一となどでは△8九馬から攻め合い負けしてしまいそうです。よって▲7二角はスピードアップを図る勝負手ですが、これが怖い攻めに見えます。△同金は▲同とで▲7一飛が打てる形になるので怪しくなってしまいます。
▲7二角には△8二銀でと金を外すのが唯一の正解です。▲8一角成には△7一金で馬を捕獲します。先手は▲8二馬〜▲8五飛で両取りをかけますが、△5五角(結果4図)と繋いで大丈夫。後手有利です。
以下(1)▲7七桂打には△9九馬▲5五飛△7二金(▲7一角の防ぎ)(参考6図)、(2)▲6六桂には△同馬▲同歩△1九角成(参考7図)で、いずれも先手玉は薄いので小駒だけで寄せきれそうです。先手は玉が薄い上に2枚の飛車がボケている印象です。
次回は第8図に戻り、▲3五歩ではなく▲8七歩と受ける変化を考察します。