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今回は予告した通り、第8図の△8六同飛に▲8七歩と受ける変化を考察します。
第8図からの指し手②
▲8七歩(第14図)△7六飛(第15図)
おさらいになりますが、先手が▲3六歩と飛車の横利きが止まったタイミングで△8六歩と仕掛けることにより、後手からは△8八飛成〜△5五角打と△7六飛という2つの狙いを見せることができます。前回までは先手が△7六飛を防いで来ましたが、今回は△8八飛成を防ぎに来ました。
後手は狙い通り△7六飛と取っておきます。△8八角成をどう受けるかですが、先手に選択権があります。
第15図からの指し手①
▲7七角(第16図)△同飛成▲同桂△4四角打▲3五歩△7七角成▲同金△同角成▲6八銀△2五歩(結果5図)
△7六飛に対して、まずは▲7七角(第16図)と、先手も角を上がって受けてみます。これにはバッサリ△同飛成〜△4四角打から二枚替えを狙うのが好手順。似たような筋が前にも出てきましたが、今回は飛車取りなので攻め合う手が利きません。
△7七同角成に▲8二角などと攻め合うのは、△2五歩▲3六飛△5九金▲4八玉△6九金(参考8図)のように詰めろ銀取りで駒得を拡大させていけばよいです。
なので▲6八銀と受けるのは仕方ないところですが、やはり△2五歩(結果5図)が好手。飛車の利きを縦横どちらか一方にさせてから△9九馬としておけば攻めやすくなるので後手優勢になります。
第15図からの指し手②
▲7七金(第17図)△同角成▲同角△3三桂▲3七桂△7三桂▲4八銀△6五桂▲8八角△8六歩(結果6図)
続いて、△7六飛に▲7七金(第17図)と力強く受ける手も考えられます。後手としては△7五飛と引いても先手陣が悪形なので不満はないですが、ここでは思い切って△同角成が成立します。▲同角に△3三桂〜△7三桂とスタンバイ完了です。
▲4八銀には△6五桂〜△8六歩(結果6図)が急所の攻めです。▲同歩はもちろん△8七歩ですが、先手にうまい受けはなく、後手優勢になります。
なお、この筋を避けるために▲4八銀に代えて▲7八歩と我慢する手もありますが、△6五桂▲8八角△2五歩▲2八飛△3五歩(参考9図)のように好き勝手攻められます。後手は攻め筋がいくつもあるので先手は受けきれません。
次回は△7六飛に▲6六歩と角交換を拒否する手を考察します。