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今回は、前回予告した通り、基本図から▲3八銀とする変化を考察します。
基本図からの指し手③
▲3八銀(第36図)△7四歩(第37図)▲3六歩(第38図)
基本図に戻り、前回まで▲3六歩と突く手と▲3八金と上がる手を見ていきました。今回からは、▲3八銀(第36図)と上がる手を見ていきます。この銀上がりは青野流ならばお馴染みの形で、▲3八金の次によく指される手という印象です。
後手は変わらずに△7四歩(第37図)と突いておきます。対して▲3六歩(第38図)と突くのはどうでしょうか。
第38図からの指し手
△7五歩(第39図)▲同歩(第40図)△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△7六飛(第41図)
▲3八金型と▲3八銀型では、第38図で対応が変わります。第38図で、▲3八金型と同じように△8六歩▲同歩△同飛と動くのは、▲3五歩△8八飛成▲同銀△5五角打に▲8二歩(参考17図)と攻め合い、△7三桂▲8一歩成△8八角成▲同金△同角成▲8二と(参考18図)という局面になります。この時、3八金3九銀型の場合は3七の地点を塞いでおけば狭く、後手も戦えました。しかし、3八銀4九金型の場合は3七と3九に逃げ道が用意されているので先手玉が広く、▲7二とからの攻めが間に合ってしまいます(参考18図の評価値は568、参考18図で3八金3九銀型の評価値は80)。
ということで後手は攻め方を工夫することにします。それが、△7五歩▲同歩(第40図)△8六歩という順です。この順の狙いは、△7六飛(第41図)と歩の裏に飛車をすり込ませておくことにあります。
第41図からの指し手①
▲3三角成(第42図)△同桂(第43図)
△7六飛と寄った局面で、次に△8八角成を食らうとまずいので、先手としてはいくつか対応が考えられます。候補としては、本譜の▲3三角成(第42図)、▲7七角、▲6九玉を考察する予定です。▲3三角成に△同桂(第43図)とした局面も広く、このあたりは分岐も多いです。そのため、後の解説に備えて第42図と第43図を土台としてここに置いておき、詳細は次回以降に回すことにしておきます。
次回は、第43図から▲6六角と打つ手から考察します。