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今回は、前回予告した通り、△4四角(第32図)に▲2八飛と引く変化から考察します。
第32図からの指し手①
▲2八飛(第33図)△1五歩▲同歩△1七歩(結果12図)
△4四角の設置に、まずは▲2八飛(第33図)と引いてみます。これには△1五歩からの端攻めが効果的になります。
△1七歩と垂らした結果12図は後手攻勢ムードです。仮に▲同香と取れば、△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△7六飛▲7七銀△7五飛(参考15図)としておき、次に△2六歩や△2五飛などを狙っていけば後手が十分に戦えます。
第32図からの指し手②
▲5六飛(第34図)△2三銀▲3六歩△3四銀▲4六歩△1五歩▲同歩△8五飛(結果13図)
続いて、△4四角に▲5六飛(第34図)と、四段目で頑張る手を見ていきます。これには後手は△2三銀〜△3四銀と飛車を圧迫しに行くのが良いでしょう。先手は▲3六歩〜▲4六歩と銀の進出を止めるのが自然です。
そこで△1五歩▲同歩と端を絡めてから△8五飛(結果13図)と浮くのが意表の一手です。以下(1)▲7七桂には△2五飛、(2)▲2七歩の先受けには△1六歩でやはり右辺から崩していけば後手が指しやすくなります。先手は飛車の使い所に困っています。
第21図からの指し手④
▲5六飛(第35図)△6二金▲3六歩△6四歩▲3七桂△6三銀▲3五歩△8一飛(結果14図)
少し局面を戻り、△7三桂に▲5六飛(第35図)と回る手を見ていきます。横歩取り版中原飛車というべきでしょうか。先手は▲3六歩から駒組みしたいのですが、すぐにやると△8六歩と動かれるので飛車の横利きを消さないための工夫です。
四段目の飛車に対して後手は先程のように△2三銀から圧迫したいのですが、▲2二歩△同金▲3三角成△同桂▲3一角(参考16図)でひどいことになります。
そのため、後手は速攻や圧迫をするのは難しく、△6二金から持久戦を目指す方針にします。お互い自然に駒組みを進めた結果14図は、後手は理想形に組めたのに対し、先手はやや進展性に欠けた印象です。この後は後手は△2三銀や△5四歩などでさらに陣形を充実させていきたいです。
次回は、さらに戻り、基本図から▲3八銀とする指し方から考察します。