週刊はるん(大会振り返り)

8月の終わりに大会に出たので今週はその振り返りをやっていきたいと思います。

なお、局面図を出していますが、棋譜を採ったわけではなく自分の記憶を頼りに再現したものであるため、終盤戦の持ち歩の枚数などの直接戦闘に影響のない部分が間違っている可能性があります。

 

1戦目

先後:後手 戦型:対嬉野流 勝敗:◯

左:第1図 右:第2図

初戦は嬉野流を迎え撃った将棋になりました。ネットだと向かい飛車にして備えるのですが、大会ではUFO銀の形にすることが多いです。飛車を横に転換して飛車交換する激しい展開になり、後手の攻め、先手の受けという勝負になりました。持ち時間は30分切れ負けなのですが、激しい展開で一歩間違えれば終わりなので時間が削がれます。

第1図は玉を中段に引っ張り出したところですが2八の飛車が捕まっており、忙しい局面です。ここから飛車取りに構わず△6六角と飛び出ました。▲2八金なら△4八角成とすれば必至なので実戦は▲4八歩と受けてきましたが、△5七銀▲3七玉△4八銀不成▲同金△同角成▲同玉に△4六歩(第2図)と垂らして攻めが繋がり、そのまま押し切りました。

 

2戦目

先後:先手 戦型:矢倉 勝敗:◯

左:第3図 右:第4図

2戦目は矢倉に。相手が右玉に構えたのを見てこちらから動きましたが、上手く対応されて形勢を損ねました。なんとか飛車を成り、小技を駆使して決め手を与えないように指していましたが相手の手つきから「余裕勝ちです」と言われているようで半分諦めモードでした。

 

第3図は王手馬取りから3三の馬を抜かれた局面です。先手は受けなしなので後手陣に迫るしかありません。残り時間2分から1分ほど考えましたが▲7一銀△同玉▲6二と△同玉▲8二飛△7二香▲同桂成△同銀▲6三歩△同玉で詰みはなく、▲3三竜(第4図)で下駄を預けました。

 

ここから△5六桂▲5七玉△4八角▲5六玉に△6五銀▲4五玉△4四銀から竜を抜きながら王手していけば詰みがありました。しかし実戦は△6五銀ではなく△5五歩だったので▲同桂が逆王手になり急転直下で先手勝ちになりました。投了の時点で残り時間11秒でした、危ない。

 

3戦目

先後:先手 戦型:矢倉 勝敗:✕

左:第5図 右:第6図

3戦目も先手を引いたので矢倉に。後手が飛車先を受けない変化を選んだので先手は飛車先交換から横歩を取りました。後手はその代償として陣形を盛り上げ、歩得vs手得になりました。更に後手はそこから第5図のように向かい飛車にする趣向を見せ、飛車先逆襲を見せてきました。

 

後手の狙いは△7七角成〜△2七銀です。そのため、実戦は▲7九角と引き△7七角成▲同桂△2七銀には▲2三歩△同飛▲2七銀△同歩成に▲2四歩で止める手を見せました。▲2四歩に△2八と▲2三歩成となりますが、その時に3三の銀が当たりになっているのが主張です。

 

そのため、実戦は▲7九角に△4二銀と引き、当たりを事前にかわしたのがうまい手でした。▲3七桂と跳ねたところで△7七角成▲同桂△2七銀を決行し、▲2三歩△同飛▲2七銀△同歩成▲2四歩△2八と▲2三歩成に△2九飛(第6図)と先着されてしまいました。実際は互角らしいですが、形勢を悲観していたためその後もジリジリ疑問手を重ねて押し切られてしまいました。

 

第5図では堂々と▲3七桂と跳ねる手があったようです。△7七角成に▲同角と取り、△2七銀に▲4五桂△2八銀成▲3三桂成となれば先手優勢でした。このあたりは結構時間を使って考えたのですがもっと精度良く読むべきでした。

 

4戦目

先後:先手 戦型:矢倉 勝敗:◯

この将棋は駒が複雑に配置されていて局面を思い出せなかったので図に起こすことができませんでした。

 

4戦目も先手を引いたので矢倉に。これで矢倉3連投です。

 

相手が雁木から先攻してきましたがこちらも反撃。駒損覚悟で角を切り飛ばし玉を薄くして実戦的に勝負します。とはいえさすがに無理気味だったようで流れは後手に。先手玉も薄くされます。しかし飛車を縦横に使う勝負手が通り形勢混沌。先手は終盤で攻防手を織り交ぜて後手の馬を抜き、その手が必至で先手玉は詰まず最後は勝ちになっていました。この対局も残り時間30秒まで迫られたのでギリギリでした。

 

5戦目

先後:先手 戦型:対三間飛車持久戦 勝敗:◯

左:第7図 右:第8図

最終局は相手が振り飛車党だったのでこちらは居飛車穴熊で対抗しました。右銀を中央に持っていき一歩交換を果たします。さらに穴熊らしく強気に駒交換を迫りますが、相手も簡単には応じてくれません。

 

第7図は△8五桂に▲6四歩と利かしを入れたところです。△同金は▲5五銀と銀を取った手が金当たりになる仕組みです。ここで△同銀や金をかわす手を読んでいて難しいと感じていました。

 

実戦は強く△7七桂成と来ました。こうなると大さばきは必然で、▲6三歩成△7八成桂▲7二と△同金▲7八金△6六銀▲6四桂(第8図)と進みました。先手は駒損ながら後手陣を薄くできて攻めが繋がっているので穴熊の暴力が発揮できる展開となり先手優勢になりました。その後は▲8五銀から根本の角をいじめて▲6一角を実現させました。

 

 

 

結果

結果は4勝1敗でした。久々に大会に参戦しましたが思ったよりも勝てました。とはいってもほとんど逆転勝ちだったので勝った気は全くしないですが…