週刊はるん(4月第4週)

 

対局振り返り

 

棋譜 https://shogiwars.heroz.jp/games/neneusa-harungun-20230414_115400

 

初手からの指し手:▲76歩△34歩▲66歩△32飛▲68銀△62玉▲67銀△42銀▲77角△52金左▲88飛△72玉▲86歩△82銀▲85歩△35歩▲28銀△62金上▲48玉△44歩▲58金左△43銀▲38玉△54銀▲48金上(第1図)

 

相金無双

 

本局は自分が後手です。後手番の対局を振り返ることが多いような。まあそれはいいんですが、相振り飛車になりました。相振りの場合は自分は、本局のような三間飛車か、中飛車を採用することが多いです。囲いは金無双にしました。よく右矢倉を指すのですが、今回のお相手との対戦成績が0勝1敗で、右矢倉に組んでボコボコにされた記憶があったような無かったような…という感じだったので右矢倉はお休みです。

第1図

 

第1図からの指し手:△36歩▲同歩△同飛▲37歩△34飛▲84歩△同歩▲同飛△83歩▲86飛△14歩▲56銀△24歩▲65歩(第2図)

 

細かい動き

 

振り飛車の序盤は自由度が高いので、定跡を覚えるのが苦手でも指しやすい戦法ですね。玉を囲って歩を持つ。シンプルですがその分地味な動きですね。まあ相振り飛車はそういうものだと割り切ってしまいますが。

第2図

 

第2図からの指し手:△25歩▲75歩△24飛▲96歩△94歩▲76飛△26歩▲同歩△同飛▲27歩△24飛▲74歩△同歩▲同飛△73歩▲76飛(第3図)

 

整備

 

先手が▲65歩と突いたので、▲66角〜▲77桂の構想なのかなと思いましたが、7筋も交換しに来るタイプの方でした。後手から仕掛ける手はなさそうなので先手に追随して2筋目の歩を切ります。2歩あれば攻め幅が広がります。

第3図

 

第3図からの指し手:△93銀▲66角△45歩▲22角成△同飛▲86飛△44角▲77角△同角成▲同桂△44桂(第4図)

 

好みのライン

 

△93銀は金無双だと割と出てくる受けの形です。△84銀〜△85銀と圧迫する狙いもあり、B面攻撃好きの自分とマッチしています。対して先手は▲66角と上がってきました。▲77桂までいくと好形なので△45歩とぶつけます。

 

角交換後、先手は▲86飛と角の打ち込みを消してきました。これは後手が△44角で設置できますね。このライン、相振りなら積極的に狙っています。この角が終盤まで活きました。

第4図

 

第4図からの指し手:▲68金△33桂▲76飛△15歩▲98香△84銀▲64歩△同歩▲65歩△16歩▲同歩△17歩(第5図)

 

攻め合い

 

桂は跳ばせましたが、▲68金で金をスイッチできるのは大きいです。先手は▲76飛〜▲98香と攻撃態勢を整えるのに対して、後手は△84銀と、あわよくば受け潰す心積もりです。

 

ですが、▲64歩〜▲65歩が習いある金無双崩し。ここを攻められると受けきるのは容易ではないため、しょうがなく後手も端を攻めていきました。

第5図

 

第5図からの指し手:▲17同銀△25桂▲26銀△17歩▲64歩△16香(第6図)

 

端攻めの必修手筋

 

△17歩に▲同銀と取ってきましたが、ここは後手がチャンスを迎えていました。△25桂と跳ねましたが、これは▲26銀と逃げられて、△17歩〜△16香は確実ですが少し重い感じがします。先手の▲64歩に勝てるか怪しいですね。

 

▲17同銀にはばっさり△同角成が端攻めではよく出てくる筋です。▲同香は△18銀なので▲同桂ですが、△75銀打で飛車を殺します。▲85歩△76銀▲84歩△同歩(A図)は次に△79飛や△16香があって後手の攻めが続きそうです。

左:A図、右:第6図

 

第6図からの指し手:▲13角△23飛▲31角成△18歩成▲41馬△22飛▲65銀(第7図)

 

不気味な馬

 

先手は▲13角から飛車をいじめていきます。▲41馬はなかなか嫌な位置ですね。63の地点に効いてきて、かなり嫌味が出てきました。さらに63に打ち込むために▲65銀(第7図)と銀をぶつけてきました。後手はどう対応すべきでしょうか。

第7図

 

第7図からの指し手:△43銀▲25銀△67歩▲同金△66歩▲16銀△67歩成▲63香(第8図)

 

チャンスを逃す その2

 

銀交換は▲63銀が痛いと見て、△43銀と引きましたが、ここは△29と、と踏み込むチャンスでした。▲同玉は△19香成▲38玉(▲同玉は△17桂成)△75香でまずいので、勢い▲54銀△同歩▲63銀ですが、△同金直▲同歩成△同金(B図)で意外と大丈夫です。▲63銀を必要以上に恐れすぎました。

B図

本譜は△43銀に▲25銀でした。△同飛は▲16飛が嫌だったので△67歩〜△66歩で飛車の横利きを止めます。▲同金なら△25飛ですが▲16銀は驚きました。△67歩成で挟撃態勢が作れそうです。

第8図

 

第8図からの指し手:△29と▲同玉△17桂▲38玉△66と▲62香成△同金▲63金△82玉(第9図)

 

チャンスを逃す その3

 

先手は▲63香と打ち込んできましたが、三度後手にチャンスが訪れています。ここは露骨に△28金が決め手。▲49玉に△77角成があります。飛車を取れば△39飛で終わりなので、その飛車を狙えばよかったです。

 

本譜は△29と、とやったので面倒になりました。▲同玉△17桂▲38玉で拠点を作りながら王手のかかる形にして、遅ればせながらの△66とです。▲62香成〜▲63金と迫られますが、△82玉で耐えていそうです。

第9図

 

第9図からの指し手:▲62金△76と▲63歩成△62飛▲同と△28金(投了図)まで114手で後手勝ち

 

見切り勝ち

 

先手は▲62金で攻めたくなりますがこれは罠で、飛車を取ってから△62飛と質駒の金を取った手が詰めろになりました。

 

▲62金では▲86飛と飛車取りから逃げておけば難しかったようです。以下△65と▲62金△同飛か△57と▲同金△77角成か。時間がない中で読み切るのは難しいですね。

投了図

 

最後に評価グラフです。こちらが決め手を何度も逃しているので形がボコボコです。