週刊はるん(4月第2週)

今週は変な将棋が多く、記事にする必要ないかなと思ったので、1年半前くらいにやった対局でも書こうかなと思います。

 

対局振り返り

 

初手からの指し手:▲76歩△54歩▲56歩△52飛▲58飛△34歩▲48玉△62玉▲38玉△72玉▲28玉△14歩▲16歩△33角▲38銀△82玉▲77角△72銀▲68銀△42銀▲57銀△53銀▲66銀△64銀(第1図)

 

回顧録

 

本局は自分が後手の10秒将棋です。この対局のお相手は、自分の同期の部長です。三間飛車党で、座右の銘は「20年後に(藤井)聡太を倒す男」だそうです。頑張ってください(テキトウに流す)。いつか書きたい対局でしたが、ちょうどよく高校生活に区切りをつける時期ですし(執筆時3/31)、勝手に思い出を振り返りながら書いているところです。

第1図

 

第1図からの指し手:▲86歩△94歩▲85歩△24歩▲96歩△25歩▲88飛△22飛▲58金左△52金左(第2図)

 

中飛車

 

先手は三間飛車党ですが、本局は相中飛車になりました。対戦成績でトリプルスコアをつけられているので、実験台にされてますねこれ。ただ相中飛車は力戦になりやすく、こちらにもチャンスがあります。お互いの銀が4段目に出たので、中央での開戦は諦めて先手は8筋、後手は2筋に飛車を振り直しました。第2図まで、ほぼ先後同型ですが、銀の位置の違いがどう出るでしょうか。

第2図

 

第2図からの指し手:▲75銀△同銀▲同歩△77角成▲同桂△79角▲89飛△35角成(第3図)

 

馬を作る

 

先手は▲75銀と開戦していきました。後手は素直に取ります。時間があれば△65銀のような手も考えてみたいところですが、10秒将棋では第1感の手を読み進めていくことになります。以下△77角成〜△35角成(第3図)で馬を作りました。後手は馬を作りましたが、先手は歩が伸びている点や桂を活用できている点が主張で、いい勝負です。

第3図

 

第3図からの指し手:▲84歩△同歩▲46角△44馬▲74歩△45銀▲73歩成△同銀▲65桂△46銀▲同歩△64銀▲74銀(第4図)

 

先手の反発

 

先手は、後手の馬が暴れ出す前に動きたいところです。▲84歩の突き捨てから▲46角と消しに行きます。△44馬と逃げる手に▲74歩とコビンを攻めます。このコビン攻めの対処の仕方は色々あると思いますが、本譜は△45銀と根本の角をいじめに行きました。攻め駒を責める受けは昔から変わっていないようですね。以下も変化はありますが、先手が角銀交換ながら、駒の働きで勝負する展開となりました。

第4図

 

第4図からの指し手:△71玉▲82歩△26歩▲81歩成△62玉▲84飛△27歩成▲同銀△93角▲83飛成(第5図)

 

受けミスか

 

▲74銀は次に▲84飛が狙いなので、△71玉と早逃げしましたが、疑問の可能性があります。▲82歩が好手。△同玉は▲84飛なので、放置するしかありません。▲81歩成が実現して、安い駒で敵陣突破されてしまいました。

 

代えて△72金で大丈夫のようです。▲61銀に△62金左▲72銀成△同金で、意外と先手から攻めがないんですね。割り打ちのその先を考えるべきでした。

 

本譜は▲84飛に2筋を乱してから△93角と打ちました。ちょっと窮屈ですが▲82飛成を嫌いました。

第5図

 

第5図からの指し手:△65銀▲同銀△35桂▲84歩△27飛成▲39玉△47銀▲38銀△58銀成▲27銀△同桂成▲48飛(第6図)

 

後手勝勢に

 

後手は△65銀と桂を外しました。▲同銀と取りましたが、△35桂が激痛で(△27飛成から詰んでいるようですが、気づきませんでした…)、ここで後手が勝勢になりました。こうなると93にいる角も遠く39の地点を睨んでいます。▲84歩と止めてきましたが、△27飛成〜△47銀と押さえつければもう負けはありません。

 

▲65同銀では▲73銀成が勝ったようです。△51玉に▲24歩(A図)と打てば、△同飛には▲36桂、△35桂には▲36銀△26歩▲39桂と受ければ、すぐに潰されるような順はありません。

A図

▲48飛まで進み、あと少しといったところですが、ここで次の一手に出てきそうな決め手があります。

第6図

 

第6図からの指し手:△同成銀▲同玉△78飛▲58銀△68金▲79歩△58金▲同金△39銀▲47玉△79飛成(第7図)

 

お粗末な寄せ

 

第6図から△47銀が決め手。▲同飛は△28金、▲58金は△38金以下詰み、▲28銀は△48成銀以下詰み、▲58飛は△同銀成で必至。今の自分だったら見えていると思います。いや、見えていてください(願望)。

 

しかし本譜は△48同銀成。▲同玉で少し先手玉が逃げやすくなってしまいました。決めるべきところを決められていないですね。とはいえ、後手は飛車を入手し、もう一度はさみうちを狙って、後手勝勢は変わらずです。ですが・・・

第7図

 

第7図からの指し手:▲41金△49竜▲57玉△35馬▲74桂△53玉▲47銀△77銀▲91と(投了図)まで97手で先手の勝ち

投了図

 

10秒将棋の恐ろしさ

 

後手は順調に寄せていきますが、▲91と(投了図)の角取りに指が動かず、時間切れを喫しました…。もう負けはありませんとは何だったのか…先手玉は身動きが取れない状態ですが、いまいち寄せきれる順が思いつかなかったのです。

 

投了図から△33桂(B図)がぴったりでした。△45桂までの詰めろなので▲66歩ですが、△69竜▲68香△44馬(C図)で66の地点を狙って受けなしです。勝ち切ることの難しさを感じた一局でした。

左:B図、右:C図

 

最後に評価値です。