対局振り返り
棋譜 https://shogiwars.heroz.jp/games/yn0246-harungun-20230318_131253
初手からの指し手:▲76歩△34歩▲26歩△54歩▲48銀△55歩▲25歩△33角▲68玉△52飛▲78玉△62玉▲58金右△72玉▲77角△94歩▲59銀△95歩▲68銀右(第1図)
ゴキ中登板
今回は自分の野良対局からの一戦です。自分は後手でゴキゲン中飛車を採用しました。個人的に今一番ホットな戦型で、採用することも増えています。棋書を読み返したり、実戦を増やしたりして自分なりの戦い方を模索したいところです。
△94歩と穴熊かどうか打診した手に対し、受けなかったので先手は穴熊か…?と思ったのですが、▲59銀〜▲68銀右が独特な駒組みですね。離れ駒をなくして手堅いですが、攻撃力がないので後手は安心して駒組みができます。
第1図からの指し手:△42銀▲36歩△53銀▲37桂△54銀▲66歩△82玉▲16歩△72銀▲46歩△44歩▲88玉△64歩▲67銀△65歩▲78銀上△42金▲86歩△53金▲65歩△同銀(第2図)
慎重な駒組み
第1図から先手は穴熊に組む順も有力でしたが、本譜は左美濃に落ち着きました。後手は早めに銀を上がって先手陣を牽制してから囲いに手を回します。先手は棋書には載っていない駒組みをしているので、慎重に行かざるを得ませんね。6筋の歩を切って第2図です。
第2図からの指し手:▲55角△66歩▲同角△同銀▲同銀△62飛▲67歩△74歩▲45歩△73桂▲24歩△同歩▲44歩△33桂▲43歩成△同金▲75歩(第3図)
先手の攻め
第2図から▲66歩△54銀と収めるのも一局でしたが、本譜は▲55角と一歩欲張ってきましたが、これには△66歩で角が取れます。角銀交換で後手が若干良くなりましたが、後手は歩切れになったので思ったほどの差にはなってはいませんでした。この辺りの形勢判断がすごい難しいですね。
駒損になりゆっくりしていられない後手は、▲24歩〜▲43歩成で後手の駒を右辺寄りにしてから、▲75歩(第3図)と桂頭を攻めていきました。ここはどうするのがいいでしょうか。
第3図からの指し手:△65桂▲24飛△同歩▲74歩(第4図)
後手にミス
▲75歩に、△65桂と桂を先に逃げましたが、この手は良くなかったです。先手は飛車もぶった切って▲74歩(第4図)と取り込んで後手陣へのプレッシャーが掛かり、苦しい展開になりました。
△65桂では△65歩と打つ方が勝ったようです。対して、▲77銀引と逃げるのは△55角と打って△37角成と、▲74歩なら△76歩と打つ狙いがあって激戦です。
また、△65歩に▲55銀は△54歩▲48飛△53金▲74歩△55歩▲41飛成(A図)が一例でこちらも激戦です。
ただここで△65歩は桂と飛車が効いているところに打っているので相当打ちづらく、全く見えませんでした。この局面のもっと前に別の手を指して、この変化を回避すべきでしたね。
第4図からの指し手:△73歩▲46角△49飛▲48歩△64歩(第5図)
厳しいコビン攻め
▲74歩に△73歩とキズを消しに行きました。ここは△77歩から桂を精算してから△73歩と打ったほうが桂の負担がなくなって良かったですかね。
先手は△73歩に▲48角と設置してコビン攻めの準備を整えます。△49飛▲48歩に△64歩と受けましたが、悪手でしたね。代えて△64角として、▲同角△同飛▲75銀打△74飛▲同銀△同歩▲55角△73角▲同角成△同銀▲65銀△55角(B図)がソフトの示す手順ですが、かなり難しいです。コビン攻めを振りほどく大変さがわかると思います。
第5図からの指し手:▲65銀△同歩▲73歩成△同銀▲74歩△55歩▲同角△64銀打▲73歩成△同玉▲85桂△63玉▲64角△同玉▲73銀△53玉▲62銀不成△同金▲51飛△52銀(第6図)
粘りの受け
△64歩に対し、▲65銀△同歩で再び角道が通りました。角のにらみが強烈で非勢を感じていましたが受けなしになるまでは基本指す人なのでまだ粘りに行きます。まずは大駒は近づけて受けよ、と△55歩〜△64銀打と弾きます。角を逃げていては後手に一段落されてしまうので、▲73歩成〜▲85桂〜▲64角〜▲73銀と王手飛車をかけてきました。美濃囲いは崩壊しましたが広い方に逃げ出し、すぐに捕まるような形ではないのでここは辛抱ですね。
第6図からの指し手:▲73銀△同金▲同桂成△55角(第7図)
手順前後
先手の攻め駒は飛車桂に銀2枚で▲55銀と縛っておけば後手玉が狭く、粘りづらい格好でしたが、本譜は▲73銀と絡んできました。これは△55角の筋が見えたので△73同金▲同桂成に△55角としましたが手順前後でした。なぜだめなのかは次の図で。
▲73銀には先に△55角でした。▲77歩(▲77桂には△76歩)△73金▲61銀(▲同桂成は△同角で飛車に当たる)△41銀打▲52銀成△同銀▲61銀打△41銀打(C図)・・・と千日手にする順があります。元々後手がだいぶ悪かったので千日手にできるなら十分ですね。
第7図からの指し手:▲77歩△73角▲11飛成△37角成▲51竜△62銀▲81竜△19飛成▲56歩(第8図)
後手玉安全に
前譜の△73同金がなぜ手順前後なのかですが、△55角(第7図)に▲77桂(D図)と跳ねて合駒する手があるからですね。先に△55角だと、▲77桂には△76歩で後手も戦えるのですが、73に成桂を作られた状態だと▲63金と打たれて後手玉が寄ってしまいます。なので▲77桂には△73角と成桂を外しますが、▲65桂△62玉▲11飛成△37角成▲73金(E図)で先手勝勢でした。難しいですね。
本譜は▲77歩だったので▲65桂がなく、△73角から自陣に手を入れ、後手玉が安全になりました。
第8図からの指し手:△75桂▲76銀△87香▲同銀引△同桂成▲同玉△75桂▲76玉△87銀▲同銀△69竜▲55銀△87桂成(第9図)
後手の反撃
後手玉はある程度安全になったので後手は美濃崩しを始めます。玉頭にキズがあったので、△75桂〜△87香と襲って、△69竜と金を剥がして先手はいきなり受けが難しくなりました。
第9図からの指し手:▲54香△同金▲同銀△同玉▲55金△同馬▲同歩△同玉▲37角△46歩▲56歩△45玉▲46角△75歩▲同玉△84金▲65玉△75金打▲64玉△63銀打(投了図) まで132手で後手の勝ち
後手逃げ切る
受けが難しい先手は▲54香から突っ込んできましたが馬の存在が大きく、なんとか逃げ切ることができました。
最後に評価値です。