週刊はるん(4月第1週)

今週は長いです。時間があるときに見てくださいな。

 

対局振り返り

 

初手からの指し手:▲56歩△34歩▲58飛△84歩▲55歩△85歩▲76歩△62銀▲77角△42玉▲48玉△32玉▲38玉△52金右▲28玉△44歩▲68銀△43金▲57銀△33角▲56銀△22玉▲46歩△32金▲38銀△12香(第1図)

 

ゴキ中vs穴熊

 

今回は将棋倶楽部24からの自戦記です。持ち時間は1分、切れたら30秒なので実質30秒将棋です。自分が後手番で、居飛車をやろうと決めていました。先手がゴキゲン中飛車を採用してきたので、とりあえず穴熊を目指しました。超速も有力な対策ですが、あまりよくわかっていなかったので今回は見送りました。

第1図

 

第1図からの指し手:▲36歩△11玉▲59飛△94歩▲96歩△74歩▲58金左△73桂▲47金△51銀▲37桂△42銀上▲16歩△14歩▲26歩△64歩▲66歩△22銀▲25歩△31銀▲27銀△81飛▲38金△61飛▲69飛(第2図)

 

一旦組み合う

 

第1図から▲45歩や▲65銀と穴熊相手に速攻を見せられるとこちらとしては嫌でしたが、先手はガッチリと組み合う方針だったらしく、すぐの開戦には踏み切りませんでした。先手は銀冠、後手は松尾流穴熊になり、そろそろ駒組みも飽和してきました。

第2図

 

第2図からの指し手:△54歩▲同歩△同金▲55歩△53金▲95歩△同歩▲同香△94歩▲同香△同香▲95歩△91飛▲94歩△同飛▲95歩△84飛(第3図)

 

開戦

 

穴熊側で意識しているのは、歩を多く持つことです。歩を使って攻め筋を増やして、一回攻めが繋がってしまえば穴熊の暴力で勝てますからね。ということで△54歩から1歩ゲットして開戦です。対して先手は▲95歩と端から攻めます。▲95同香に△同香は▲同角で桂を狙われてだめなので、△94歩と1段ずらして交換することで角を侵入させません。

第3図

 

第3図からの指し手:▲45歩△86歩▲同歩△75歩▲44歩△同金▲59飛△76歩▲68角△57歩▲同飛△54歩▲45桂△42角(第4図)

 

戦線拡大

 

先手は▲45歩とこちらから攻めていきます。後手は飛車先を突き捨ててから受けに回ります。▲59飛は△55金のさばきを防いだもの。後手は攻めたいですが、先手の抑え込みが上手くいっている印象です。

△57歩はとりあえず打ってみたい焦点の歩。△55金を防ぐために▲同飛と取りますが、角の働きが弱くなりました。ただ、▲45桂と跳ばれてみると、4〜5筋の制空権は先手が握っている感じで、のびのびとしています。

第4図

 

第4図からの指し手:▲43歩△同金引▲54歩△同金▲43歩△同金▲55香△同金▲同銀△44歩▲54歩△52歩▲41金(第5図)

 

先手好調

 

先手は歩で金を釣り出し、▲55香で金を剥がすことに成功しました。後手は△44歩で桂を取りに行きますが、△45歩と桂を取っても▲44歩でくさびが入るのが泣き所。先手に不満は何一つありません。

第5図

 

第5図からの指し手:△65歩▲42金△同銀▲62角△45歩▲73角成△81飛▲63馬△91飛▲44歩△33金▲52馬△51金▲85馬(第6図)

 

最善手なら意外とやれてる

 

第5図から秒に追われて△65歩としましたが、さすがにひどい手でしたね。角を取られて▲62角が▲73角成と▲44銀を狙う一着で、ここでははっきり先手がいいですね。△45歩と桂を外しましたが、飛車を追いつつ桂を取り、馬を作って盤石の布陣です。

 

実は先手の▲41金(第5図)はあまり良くなく、△45歩と桂を外せば後手も戦えていたようです。以下▲44歩△33金▲42金△同銀▲63角△51香▲53歩成△同歩▲45角成(A図)という手順をソフトは示しますが、この局面をどう見るか。やはり馬が大きい気がします(ソフトは後手よしを示しますが…)。

左:A図、右:第6図

 

第6図からの指し手:△46香▲同銀△同歩▲同金△56歩▲同飛△67銀▲55飛△44金▲53歩成△55金▲42と△同金(第7図)

 

形勢不明に

 

後手はほぼ唯一の反撃手段である△46香に期待します。精算後の△56歩に▲同金や▲97飛だと変わらず先手が良かったですが、▲同飛と取ってきました。これは△67銀が大駒の両取り。▲55飛に△44金と払って勝負手が通った格好になりました。先手は読み筋とばかりに▲42歩成と無視します。色々な駒が当たっていてわけがわからないですね。

第7図

 

第7図からの指し手:▲75馬△53歩▲64馬△46金▲同角△31飛▲43歩△同金▲44歩△同金▲53馬△37香▲同角△45桂▲44馬△37桂成▲同玉△56銀成(第8図)

 

勝負手の応酬

 

先手は角金取りを無視して▲75馬と勝負してきました。ここは△68銀不成▲42馬△46金と斬りあっていれば、後手玉は金銀だけでは寄らず、先手玉は1手1手の寄りになり後手が勝つのですが、まあ選びきれません。△53歩と受けました。

 

少し進んで△37香は秒に追われての着手ですが、秒に追われているときはだいたい悪手を指します。代えて△45金(B図)や△47金!(C図)(▲同金は△58飛)で優劣不明です。

左:B図、右:C図

ただ、△45桂に角を逃げなかったので、△37桂成▲同玉(▲同金はやはり△58飛)で玉を引っ張り出せたのは大きく、結果的には悪くない勝負手だったと思います。

第8図

 

第8図からの指し手:▲43桂△33飛▲42銀△64角▲26玉△42角▲45桂△32飛▲31金△同角▲同桂成△同飛▲53角△32金▲33香△同桂▲31角成△同金▲51飛(第9図)

 

命がけの受け

 

先手は▲43桂と飛車に当てます。銀と飛車の2枚になった穴熊で薄っぺらいですが、粘ってチャンスを待ちます。△33飛に▲42銀は罠で、△64角から除去して後手もまだまだ耐えられます。▲45桂から再び迫ってきましたが、穴熊戦は駒を埋めて粘るのがコツです。▲53角に△32金と埋めて攻めを受け止めます。さて、▲51飛(第9図)と打たれた局面がまたポイントになりました。

第9図

 

第9図からの指し手:△46飛▲33桂不成△32銀▲45金△同飛▲同馬△62角(第10図)

 

素通りの頓死

 

▲51飛は成銀取りです。なので△46飛として成銀取りを受けつつ△35銀を狙いましたが、これが負ければ敗着になっていた手でした。ここで▲33桂不成が好手。▲21金からの詰めろなので△32銀と受けましたが、ここで▲31飛成△同銀▲21桂成△同玉▲11金(D図)という頓死がありました。

D図

しかしお互いこの筋に気づかず。30秒将棋だったことや、直前に▲33桂△32銀の攻防が入っていたので21の地点に気を取られていたためでしょう。なので△46飛ではなく△41桂と受けるべきだったようです。まあスルーしてくれたのでいいでしょう(よくない)。

 

本譜は△45の地点で駒の交換が行われたため、馬筋がそれ、この筋が消えました。とにかく安全にしたい後手は△62角(第10図)と王手飛車をかけます。

第10図

 

第10図からの指し手:▲44桂△33銀直▲61飛打△51角▲同飛成△41金打▲56竜△42香▲32香△21金▲63馬△52歩▲同桂成△32金▲42成桂△同金(第11図)

 

終わりの見えない戦いへ

 

△62角に▲44桂でした。△51角は▲32桂成で面倒なので、△33銀直と、とにかく防戦に努めます。先手は成銀を、後手は桂を外し、第11図まで進むとあら不思議。お互いの玉は寄り付かず、中盤戦に逆戻りです。ここまで180手超え。普段の対局なら1局を10分割(第10図を投了図にする)で構成するのですが、これは無理でした。まだまだ続きます。

第11図

 

第11図からの指し手:▲48香△43歩▲51竜△32桂▲64馬△53歩▲44歩△同歩▲54歩△52金打▲71竜△59飛▲75角△63桂▲84角△56桂▲65歩(第12図)

 

負けない将棋

 

先手はなんとか攻めの糸口を探そうとしますが、後手はひたすら駒を自陣に打ち付けていきます。実際の形勢は後手がいいのですが、対局中はほぼ互角だと思っていました。「こんなに打つようでは…」って感じですね。実はこの対局の前も同じ人と当たってボコボコにされたので、リベンジマッチとして負けられないのです。

第12図

 

第12図からの指し手:△58飛成▲43歩△同金右▲63馬△83歩▲93角成△48桂成▲同金△55竜▲47桂△65竜▲64銀(第13図)

 

駒不足感

 

後手は△59飛〜△56桂と待望の反撃をしましたが、大量の駒を自陣に打ち付けたために、先手玉を追い詰めるにはまだ駒が足りなさそうです。ということで△58飛成では△89飛成と桂を補充したほうが良かったかもしれません。ただ、ここまで長くなると手の善悪よりも執念で指しているので振り返っても仕方ありません。

第13図

 

第13図からの指し手:△54金▲83馬△68竜▲43歩△同金▲58歩△64金▲41馬△31香▲61馬△42金▲同馬△同銀▲52馬△93角(投了図) まで226手で後手の勝ち

 

突然の幕切れ

 

▲64銀と53の地点を攻めてきましたが、△54金と払えば受かっています。▲83馬に△68龍が金当たりの先手になり、ようやくこの辺でよくなり始めたと感じました。最後△93角に▲42馬と銀を取って、△48角成に▲37銀と弾かれてまだまだ大変だと思っていたところ、相手の方が時間切れ。いきなりの終局にびっくりしました。結局226手かかりました…200手超えは久々ですね。

投了図

 

最後に評価グラフです。まさに二転三転でした。