目次
①対局振りかえり
今週も将棋倶楽部24から
対局情報:2021/03/09 14:08 1手30秒(1分の考慮時間あり)tetsumusi vs harungun
棋譜:
初手からの指し手:▲76歩△84歩▲26歩△85歩▲77角△32金▲25歩△34歩▲78銀△77角成▲同銀△22銀▲48銀△62銀▲46歩△33銀▲36歩△64歩▲37桂△42玉▲47銀△63銀▲78金△74歩▲58金△73桂▲29飛△81飛▲48玉△62金▲56歩△14歩▲16歩△54銀▲66銀(第1図)
右玉 vs 流行型
本局は角換わりの出だしになり、先手の右玉、後手の△81飛△62金型に落ち着いた。先に書いておくが、この対局は先手の右玉側が勝っている。右玉ならではの軽快なさばきをこの対局から学んでいきたい。
第1図からの指し手:△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛▲75歩△同歩▲同銀△76歩▲74歩△65桂▲64銀(第2図)
疑問手を重ねる
▲66銀と中央に動いたところなので飛車先交換はするところ。▲75歩に、自然に△同歩と応じたが疑問手。▲同銀で後手玉が圧迫される展開にしてしまった。△同歩では一番激しくいくなら①65歩で、以下▲74歩△66歩▲73歩成△67歩成▲62と△78と(A図)。互角だが、玉のそばにと金ができるのは嫌なので、こうは進みづらいと思う。また、穏やかに行くなら②△63銀が有力で、▲74歩△同銀▲55銀△63銀▲74歩△同銀▲64歩△63歩(B図)と進む。これならまだまだの局面でこちらを選ぶべきだったかもしれない。
また、△76歩でも△15歩▲同歩△17歩、△77歩、△65桂など、よりダイナミックに動く方がよかった。△76歩と1マス控えた本譜に比べて攻めに速度が出るのがわかる。本譜は先手の銀が64まで出てきた。
第2図からの指し手:△77歩成▲同桂△同桂成▲同金△72歩▲66歩△44歩▲65桂(第3図)
緩急自在の指し回し
▲73歩成を受けるために△77歩成の清算は仕方ないが、▲66歩が△65桂を消す冷静な手で先手がはっきりよくなった。後手も玉頭戦の準備で△44歩とするが、かまわず▲65桂と攻めてくる。
第3図からの指し手:△84角▲38玉△52桂▲55銀△同銀▲同歩△95角▲86銀△84角▲54歩△同歩▲53歩△64桂▲45歩△同歩▲同桂△44銀▲46歩(第4図)
強烈なくさび
▲73歩成からの攻めが間に合うとまずいため先手玉に狙いをつけて△84角と打った。次に△65銀と取れればおいしいが、狙いがそれだけなのが悲しい。▲38玉と寄られ、84の角はただ狙われるだけの駒となってしまった。△84角では、△65同銀と食いちぎるしかなかったか。▲同歩に△31玉と早逃げして、楽しみを作るべき、とソフトの見解。
本譜は銀を追い返すために△52桂と打ったが、これはつらい。▲55銀で銀交換され、調子がいい。▲86歩と打たせたものの、銀交換で伸ばした歩で▲54歩~▲53歩とされ、大きなくさびが入った。さらに右桂も使われ、後手玉は崩壊寸前だ。
第4図からの指し手:△33桂▲同桂成△同銀▲96桂△85歩▲84桂△86歩(第5図)
自爆
攻め駒を増やすため△33桂と当てたが実質的な敗着となってしまった。すかさず交換され、▲96桂と打たれてみると、角の行き場所がない。やむなく角銀交換に持ち込んだが、駒損がひどい。△33桂では△55銀打として相手に楽をさせないのが正しい感覚。狙いは△45銀▲同歩△46歩で、先手玉にも嫌味を与えられるため、チャンスがあったかもしれない。
第5図からの指し手:▲72桂成△同金▲73歩成△71金▲52歩成△31玉▲63角△22玉▲24歩△同銀▲81角成△同金▲41飛(第6図)
全軍躍動
▲72桂成~▲73歩成で、取れそうな駒ですら有効活用できたのは相手としても気持ちよかっただろう。▲52歩成に△同玉は▲63角△42玉▲53角と31に逃げられないようにしてから▲81角成が厳しいので△31玉。そして▲63角に△22玉で玉形を安定させて粘りに行く。先手も1回2筋の突き捨てを入れて飛車を取り、▲41飛と下ろした。
第6図からの指し手:△31金▲81飛成△25桂▲53角△21金▲44角成△33角▲54馬△51歩▲43金(第8図)
遅かった△25桂
この局面ではすぐに△25桂を入れるべきだった。①▲81飛成は△37銀▲49玉△56桂打と攻め続けて評価値は先手優勢なものの、かなり嫌味を与えられる。②▲42とは怖そうだが、△37銀▲39玉△57角▲48角△同銀成▲同金△同角成▲同玉△56桂打▲同銀△同桂▲47玉△38銀▲57玉△68銀(C図)。ここまで行けば後手有利になる。以下先手玉が44まで行き、△33銀~△42銀と清算していくのである。もちろん結果論ではあるが。
本譜は△31金を入れてから△25桂としたが、遅かった。△31金が狙われやすい位置になり、▲53角~▲44角成の攻めが分厚い。後手は△33角~△51歩で必死に受けるが、角を手放したのは大きい。
第7図からの指し手:△37銀▲49玉△32銀▲59玉△76歩▲67金寄△87歩成(第8図)
迫っているように見えるけれど
評価値的には先手が優勢なものの、それをなしにすれば結構激戦な気がする。先手玉は金を渡せば△37銀~△57桂の筋が生じるし、その金は43にある。ということで△37銀を入れてから△32銀と催促したが、△37銀を入れたことによって△57桂を見えやすくしてしまった意味はあるか。▲59玉の早逃げで足りない。△76歩~△87歩成は必至の挟撃体制。寄せ損なったら許さない意思を見せてプレッシャーをかける。
第8図からの指し手:▲42と△43銀▲同と△77歩成▲33と△同銀▲51竜△31桂▲55角△67と(第9図)
ぼんやりした角
ついに▲42と、とこのと金が迫ってきた。このと金は角銀を取る活躍で、角が外れたので▲51竜も来た。△31桂に▲55角。ずっと▲21馬から攻められる手を予想していたので、盲点だった。そして▲21馬△同玉▲32銀には△12玉と上がれば詰まないので△67とで攻め合ったが、この感覚が甘かった。
第9図からの指し手:▲21馬△同玉▲22金△同銀▲同角成△同玉▲42竜△32金▲33銀△13玉▲22銀打△12玉▲11銀成△13玉▲12成銀△同玉▲32竜(投了図)まで137手まで先手の勝ち
詰んでました
▲21馬△同玉に▲22金が読みになかった好手。銀の利きにいるのでなおさら読みづらい。以下はお手本のような順で後手玉を即詰みに追いやった。
②詰将棋
A問題
1,1手詰め
2,3手詰め
3,X手詰め
B問題
1,3手詰め
2,5手詰め
3,X手詰め
先週の詰将棋解答
A問題
1,▲12竜まで
2,▲41飛△同玉▲32銀まで
3,▲13竜△同香▲33馬まで、もしくは▲13竜△同玉▲14歩(▲14馬)まで3手詰め
B問題
1,▲24馬△同玉▲44飛成まで、もしくは▲24馬△同香▲41角成まで
2,▲48竜△同竜▲37飛△同竜▲58馬まで
3,▲15馬△同玉▲16歩△14玉▲26桂△同歩▲15歩(▲15竜)まで7手詰め
先週の成績一覧