週刊はるん(8月第2週)

目次

 ①対局振りかえり

8/7 vs3段○、vs2段○、vs4段○ デイリー実力3.7段は割と最高段だと思う。2局目を取り上げる。

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第1図

第1図からの指し手:▲54桂△同銀▲26銀△37歩▲同桂△同桂成▲同角△68角成▲65歩△35桂▲36金△16桂▲17玉(第2図)

 

逸機×2

 

ゴキ中対右玉の中盤戦。▲34歩に△25桂と逃げたところだ。先手は▲銀桂交換をして、▲26銀と「桂先の銀」で受ける。後手は△37歩から桂交換をして馬を作る。▲65歩の味付けに、△35桂~△16桂としたが、▲17玉が「桂先の玉、寄せにくし」で先手が一歩抜けだした。ただ、このやり取りで先手、後手ともに自分からリードする順があった。

まず先手。▲54桂では▲26歩と催促する順が勝った。△37歩▲同桂△同桂成▲同玉(A図)となると、後手からは攻めのとっかかりがなく、先手は入玉含みで成駒を作っていけば自然と押しつぶす展開ができた。

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A図

次に後手。▲26銀に△37歩でなく△16桂があった。▲39玉△46歩▲57金に△36桂(B図)が厳しい。▲58金上ですぐに寄ることはないが、こんなに早く自陣が乱れると実戦的に勝てる気がしなくなる。なので先手は▲26銀に代えて▲16銀と打つべきだった。

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左:B図、右:第2図

<反省>・「玉は下段に落とせ」とされる前に「敵の打ちたいところへ打て」。

 

8/8 vs3段○、vs3段●、vs2段● 連勝街道は7でストップ。3局目を取り上げる。

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第3図

第3図からの指し手:△62飛▲72銀成△同飛▲64香△同金▲同歩△同馬▲65歩△同馬▲63金△32飛▲41竜△22飛▲73銀△92玉▲42歩△75歩▲52竜(第4図)

 

Q.ごり押しされそうな時は…?

 

中飛車穴熊対ゴキ中の終盤戦。中盤で大きな駒得に成功し、先手が▲61銀としがみついたところだ。ここで後手が対応を間違えて先手の食いつきを許した。△62飛~△72同飛~△32飛~△22飛とあくまで飛車を逃がす順を指し続けたが、スカスカの後手陣の内側に竜が潜り込まれて寄せられた。

第3図は△61同銀▲同竜△62金打とするのが正しい対応だったようだ。▲71銀△93玉▲62銀成△同飛▲同竜△同金(C図)となれば、後手陣がすっきりして、駒得だけが残るので後手優勢。

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左:C図、右:第4図

<反省>・A.ごり押しの種駒を丁寧に消していく。

 

8/9 vs2段○、vs2段●、vs3段○ 2日連続格下に負けはつらい。2局目を取り上げる。

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第5図

第5図からの指し手:△84角▲73歩△同角▲同桂成△同金▲41飛△82銀▲62銀△72金引▲71銀成△同金▲72金△61桂▲71金△同銀▲61飛成(第6図)

 

攻めか受けか

 

ミレニアム対四間飛車穴熊の終盤戦。▲85桂と2回目のふんどしの桂を決めたところ。ここで△84角と逃げたものの、▲83歩~▲73桂成で結局交換になり、▲41飛と下ろされると攻めの速度が逆転している。以下は堅陣を頼りに食いつかれ、2日連続ごり押しに沈んだ。

△84角と逃げても歩1枚使わせただけで、先手の歩の枚数は6枚なので5枚に減ってもさほど影響しない。ならば逃げる1手を攻めの1手に使おうという発想が大事だった。なので△69銀と突っかける手が正解ということになる。以下は一例だが、①▲73桂成△78銀成▲同銀△73金▲31飛△61桂▲88銀△64桂(D図)、②▲88銀打△78銀成▲同銀△64桂▲93桂成△同香▲74飛△84桂▲76金△77歩(E図)のように、お互いに自陣と敵陣を交互に考えさせて激戦だったか。

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左:D図、右:E図

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第6図

<反省>・相手に受けさせれば自分への攻めも遅くなることを意識する。

 

8/10 vs4段●、vs3段○(時間)、vs3段○(時間) 時間切らし男、再び。1局目を取り上げる。

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第7図

第7図からの指し手:△84銀▲65歩△75歩▲64歩△同金▲75歩△56歩▲76銀△57歩成▲同金△75銀▲同銀△同金▲同角△77角成▲98飛(第8図)

 

通用しない受け

 

振り飛車の序盤戦。▲77桂と攻撃態勢を整えてきたところだ。実戦は△84銀と上がった。居飛車の相矢倉ではよくある受けの形だが、この場合は86に角がいるため、64への利きは残すべきだった。▲65歩に△75歩と複雑にしようとしたが、4段にそれは通用しない。▲76銀と加勢するのがうまく、さばき合った形は玉形の差で勝てない。

ここは手が広いが、先手が銀冠なので、後手の基本方針としては△24歩~△25歩と玉頭を直撃していく展開に持っていくのがよさそうだ。先手が▲65歩から攻めている間に、後手は△25歩▲同歩△26歩▲同銀△36歩▲同金△同飛▲同歩△26角(F図)が一例の攻め筋だ。この局面は攻めは成立していないが、時機を見てこういう攻めが発動できればいい。

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左:F図、右:第8図

<反省>・矢倉を信じて攻め合い。

 

8/11 vs3段●、vs25級●、vs2段○ 恐怖の級位者とは戦いたくないです。1局目を取り上げる。

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第9図

第9図からの指し手:▲65桂△52金右▲55角△64角▲45歩△55角▲同歩△45歩(第10図)

 

乱戦の難しさ

 

力戦型の中盤戦。まだ24手だが、桂が取れそうなので先手がリード。ただ、▲45歩△同歩の迫力を出すために△42飛と4筋に足してきた。本譜は▲65桂と跳ねたが、△52金右が隙を作らない受けで難敵。▲55角で▲73桂不成と▲45歩の狙いを作ったが、△64角から本譜の順でもうよくわからない。未知の局面すぎて手の作り方が分からないのだ。

図では▲65角でよかった。駒の両取りになっていないので却下したが、△72銀に▲21角成で香車を拾いに行けば後手はそれ以上の攻めはない。△22銀と受けるくらいだが、▲65馬と帰還してゆっくり駒組みを続けていけば、馬+桂得が生きるだろう。

また、△37桂成▲同桂△35歩には▲47金くらいでよい。△14角▲26桂△36角に▲38銀(G図)と受ければ後手は息切れ状態になる。

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左:G図、右:第10図

<反省>・急所をつかむのが難しいが、成駒を作る→持久戦で駒の働きの差を主張する展開を目指した方がいいかも。

 

8/12 vs3段○、vs5級○、vs2段○ ゴキ中の本をようやく読み始めた。3局目を取り上げる。

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第11図

第11図からの指し手:△54角▲68玉△51飛▲32竜△52飛▲41竜△51飛▲32竜△52飛▲34竜△33歩▲24竜△65金(第12図)

 

切り返しの順

 

超急戦模様の中盤戦。序盤に後手から超急戦の定跡を外したがその外した手がまずく、第11図まで先手ペースで推移。▲55桂と▲63桂成を見せたところだ。本譜△54角と43までカバーしたが、▲65銀で強引に角の利きを外しに来られていたら一気に寄せられていた。実戦は▲68玉だったので、竜と飛車を移動し合う展開。ただ、小競り合いの後の△65金(第11図)がまずく、終局までずっと苦しむことになった。

まず、△54角では△62銀と受けるべきだった。▲43桂成には△22飛が切り返し。①▲61飛成△同玉▲44成桂△29飛成(H図)はいい勝負。②▲24竜(△22飛に▲23歩を用意)なら、△35角▲34竜△44金▲25竜△14角▲21竜(I図)で戦場から遠いところで駒を使わせて先手よしだが、容易ではない。

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左:H図:右:I図

△65金では△62金や△82玉と待機するしかなかった。▲43桂成には△77角成▲同桂△43角と取り除いて難解。本譜は△65金と打っているので▲77同桂が金当たりになる。

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第12図

<反省>・形勢をひっくり返す方法の1つは相手が読んでいないカウンターを用意すること。

 

8/13 vs4段●、vs3段●、vs3段○ 1局目は陣形の隙を突かれて負け。2局目を取り上げる。

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第13図

第13図からの指し手:△56歩▲同歩△55歩▲33成銀△同桂▲53角△76歩▲62角成△同金▲32飛△61金▲33飛成(第14図)

 

大駒は見捨てずに

 

松尾流穴熊対ゴキ中の中盤戦。▲34銀成と成駒を作った局面。ここで成銀と角の交換を甘受し△56歩と突いたがまずかった。▲同歩△55歩に交換され、▲53角が思っていた以上に厳しかった。飛車角交換後の▲32飛~▲33飛成が次の▲74桂を狙っており、はっきり先手優勢だ。

△56歩では△51角と引くべき。以下▲44成銀に△86歩▲同歩△87歩▲同銀と乱してから、△32飛が面白い手。△36飛を受ける▲26飛に△62角(J図)が間接両取りだ。▲45歩△43歩▲同成銀△26角▲32成銀に△49飛(K図)で激戦だ。ここからも大変な勝負が続くが、本譜の進行を考えればこちらの方が全然ましだった。

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左:J図、右:K図

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第14図

<反省>・成銀を負担にさせるように持ち込むのが大切。



 

 

~予告~

「8/14(土)~8/26(木)に行った友達対局」を週刊はるん(8月第3週、第4週)に取り上げる予定です。夏休み明けからは「チャットにはいるけど野良が終わったらすぐ消える」みたいな状態が続きそうなので、最後にわいわいやれたらな、と思っています。対局の対象は決めていないので、自分(はるん)との対局じゃなくても「この対局取りあげてー」みたいなのがあれば受け付けます。

 

詰将棋

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A問題

 

1,1手詰め

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2,3手詰め

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3,X手詰め

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B問題

 

1,3手詰め

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2,5手詰め

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3,X手詰め

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先週の詰将棋解答

 

A問題

1,▲45角成まで

2,▲51竜△同玉▲32銀成まで

3,▲13金△同竜▲11桂成△23玉▲32竜まで、もしくは▲13金△同竜▲11桂成△22玉▲21竜まで5手詰め

 

B問題

1,▲23角成△同玉▲24竜まで、もしくは▲23角成△同馬▲44竜まで

2,▲22と△同玉▲23銀打△同金▲31銀成まで

3,▲33桂△同桂▲32竜△同玉▲41角△同玉▲42金まで7手詰め

 

先週の成績一覧

 

~集計中~