今回は、前回の予告のとおり、第17図から▲6四歩とする変化について考察します。
第17図からの指し手②
▲6四歩(第19図)△5四銀▲4五歩△同銀右▲同桂△4六歩▲同銀△4五銀(第20図)
△5五歩に▲同歩と取るのは後手の5筋の攻めが強力でした。今度は▲6四歩(第19図)と取り込んでみましょう。これに△同銀と取るのは▲9七角の筋がちらつくので△5四銀と中央志向で使っていきます。
次いで▲4五歩は私の実戦でやられた手ですが悪手。△同銀右と取ってしまうのがわかりやすく、▲同桂に△4六歩▲同銀△4五銀(第20図)が流れるような攻めになります。
ちなみに▲4五歩では▲8七歩△7六飛▲7七金△7五飛▲6一角△4三銀打(参考6図)と進める方が勝りますが、後手は手厚く受ける方針で、これも後手不満のない戦いだと思います。
第20図からの指し手
▲3七銀打△4六銀▲同銀△2六桂▲3七玉△3八銀▲2六飛△2七銀打▲同飛△同銀成▲同玉△8九飛成(結果4図)
△4五銀に対する先手の応手は難しいです。▲同銀は△4六桂、▲4四桂は△4六銀が△3七銀打▲4九玉△8九飛成以下の詰めろになっており後手一手勝ち濃厚です。
ということで▲3七銀打と粘るくらいですが、△4六銀▲同銀に△2六桂が決め手です。▲同飛は△8九飛成で、以下▲4四桂は詰めろになっておらず△4九角▲3七玉△5八角成で勝ち、▲7九銀には△5四桂(参考7図)と上から潰しに行けば良いです。
本譜の▲3七玉には△3八銀〜△2七銀打(次に△2八角)がしつこい絡みです。2七で精算後の△8九飛成(結果4図)は△2九竜以下の詰めろになっており、▲7九銀と受けても△2九飛で一手一手の寄りになるため、後手勝勢です。
第15図からの指し手②
▲6四銀(第21図)△同銀▲6五歩△5三銀▲8七歩△8二飛(結果5図)
局面を少し戻し、△5四歩の銀取りに対して▲4四銀ではなく、▲6四銀(第21図)とこちらに突っ込む手を見ていきます。
狙いとしては△同銀に▲6五歩が銀当たりになるということですが、△5三銀と引いて堅さをキープするのが好手です。
▲8七歩には無理をせず△8二飛(結果5図)と引き上げておきます。この局面で先手に有効手が無いのに対し、後手からは次に△6六歩〜△6七銀とする攻めが分かりやすいです。▲6九飛と防いでも△9三角くらいで攻めが繋がります。
次回は、第13図から▲6六角と打つ変化について考察します。