前回の記事は↓こちら↓
今回は、前回予告した通り、第37図から▲1六歩と突く変化から考察します。
第37図からの指し手②
▲1六歩(第68図)△1四歩(第69図)▲1五歩(第70図)△7五歩▲1四歩△1五歩▲1三歩成△同香▲7五歩△2三銀(結果26図)
少し局面を戻し、△7四歩に▲1六歩(第68図)と端歩を付き、△1四歩(第69図)に▲1五歩(第70図)といきなり仕掛ける順を見ていきます。これに△同歩と取ってしまうと▲1二歩△同香▲3三角成△同桂▲2一角(参考25図)の筋を食らってしまうのは▲3八金型と同じです。
▲3八金型の時は△2五歩▲同飛△1五歩を紹介しましたが、これとは別に△7五歩▲1四歩△1五歩という受け方もあります。飛車筋を通しているので対応しやすいです。
▲1三歩成では単に▲7五歩も有力で、△1四飛と回る展開になります。本譜は形良く歩を払われるのを嫌う順で、△2三銀と整えた結果26図は次に△1六歩を見せておいて後手も十分に戦えます。
第69図からの指し手②
▲3六歩(第71図)△7五歩▲同歩△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△7六飛▲3三角成△同桂▲6六角(第72図)
先手が端歩を突いてから▲3六歩(第71図)とする順を見ていきます。後手は△7五歩▲同歩△8六歩とおなじみの順です。先手が角を換えて▲6六角(第72図)も以前出てきました。端歩の違いはこのあたりで出てきます。
第72図からの指し手
△6六同飛▲同歩△2五歩▲2七飛△5五角▲4六歩△6六角▲8八銀△7六歩(結果27図)
△6六同飛▲同歩までは同じですが、端歩を付き合っていない状態だと△9四角が好手でした。が、端歩を付き合っていると△9四角には▲4八玉(参考26図)と寄られると△1五角が消えているため厳しさが半減してしまいます。
そこで△9四角を打たずに、△2五歩▲2七飛を利かしてから△5五角と打つのが好手。平凡に▲3七桂と受けると今度こそ△9四角と打ち、▲4八玉に△4九角成▲同玉△2六金(参考27図)で決まっています。なお、△2五歩に▲2八飛は最終手△2六金に代えて△6六角くらいで後手良しです。
そのため▲4六歩と受けますが、今度は△6六角〜△7六歩(結果27図)と左辺に狙いをつけます。次に△4四角打〜△8八角成の狙いが厳しく残っており、後手有利です。
次回は、第69図から▲3三角成とする変化を考察します。