今回は、前回の予告のとおり、第11図から▲7五歩とする変化について考察します。
第11図からの指し手③
▲7五歩(第39図)△同歩▲5五銀△6五桂▲4五歩△5四銀▲同銀△同歩▲4一銀△4二金右▲3二銀成△同金▲6八角(第40図)
第11図から▲7五歩(第39図)の変化を見ていきます。私の実戦でやられた手で、この歩突きは右玉側の常套手段です。しかし、△同歩と取られた後に▲同銀では△7六飛で両取りがかかってしまうので、歩が取れないのが悔しいところ。
そこで▲5五銀ですが、これには△5四銀からおさらいの順です。以前は△3二同金に▲4四歩を紹介しましたが、今回は7六の歩が消えていて飛車の横利きが通っているので、△4六歩(参考16図)▲同銀△5六飛で収拾困難です。
なので先手は▲6八角(第40図)と自陣角を放ってきました。5七を補強しつつ飛車に当てる、一目感触の良い手です。
第40図からの指し手
△8二飛▲4四歩△1五歩(結果13図)
▲6八角には△7六飛とする手もありますが、7五に歩がいて飛車が狭いので、▲7七金打から飛車を取られる筋が気になります。もちろんそれでも後手悪くはないのですが、個人的にはそこまで無理をする必要はないかなと思います。
△8二飛と引き揚げておき、▲4四歩には△1五歩(結果13図)が急所の端攻めです。以下▲同歩なら△1八歩▲同香△1七歩▲同香△1八銀で攻めが決まっています。▲2六飛は△8九飛成ですし、▲7九飛には△2六銀▲2八金△1九角(参考17図)とねじ込んでいって繋がっています。
第11図からの指し手②
▲8七歩(第41図)△8一飛(第42図)▲7五歩(第43図)△6五桂▲7四歩△同銀▲7三歩△6三銀(第44図)
▲7五歩と突くのであれば▲8七歩(第41図)△8一飛(第42図)を入れてから▲7五歩(第43図)の方が良いです。△同歩なら▲同銀と歩を取り返せる分得です。それを不満と見れば△6五桂と跳ねます。後手の△6五桂は反発力のある対応で、切り札的な手でもあります。
▲7四歩△同歩に▲7三歩は相手の応手を見て手を変える狙いです。△6二金ならそこで▲4五歩と薄くなった右辺を攻める要領です。△6三銀(第44図)は一番コンパクトな受けです。
第44図からの指し手
▲7七桂△同桂成▲同金△6二金▲8六歩△5四銀(結果14図)
先手は▲7七桂とぶつけて手駒を増やしにいきます。桂交換後の△6二金は冷静で、6三の銀を楽にしています。今度▲4五歩には△5四銀(参考18図)が間に合ってきます。
▲8六歩は△7六歩などを消しておりこれも渋い好手です。後手はやはり△5四銀(結果14図)と陣形を整えておいて、一悶着ありましたがこれからの勝負です。先手が黙っていれば△7三金〜△6五歩と陣形を膨らませていくイメージで指していきます。
次回は、第42図から▲5五銀とする変化について考察します。