自戦記(相振り飛車)

今回は将棋倶楽部24から対局を振り返ります。

 

棋譜こちら

 

対局振り返り

 

左:第1図 右:第2図

本局は自分が先手番です。戦型は相振り飛車となりました。24では居飛車中心ですが、気分転換に振り飛車を指すこともあります。

第1図は銀交換が行われた後に22の角を13に上がったところです。ここで▲66角などのような手なら穏やかな進行で一局の将棋です。実戦は▲53銀と直接打ち込んでいきました。以下、△33桂▲52銀成△同金▲23金(第2図)と進行しました。▲23金は筋悪ですが、角を成り込める展開になるためいい勝負とみていました。

 

左:第3図 右:第4図

第2図から△35角▲31角成△45桂と進んだのが第3図。ここで▲41馬△62金▲46歩のように、馬で先手を取ってから受けるべきでした。実戦は▲22馬としましたが、先手をとれておらず、△69銀(第4図)が厳しい手となってしまいました。

 

左:参考A図 右:第5図

△69銀には、▲68金と寄り、△59銀に▲55馬△68銀不成▲45馬△57銀成▲35馬△同飛▲57金(参考A図)と受ければ、陣形は傷んでいますが手駒を蓄えたので悪いながらまだまだという感じでした。

実戦は△69銀に▲46歩と受けましたが、△58銀成▲同金△37桂成▲同桂△17角成▲同香に△36歩(第5図)と進んで、やはり崩壊しています。

 

左:第6図 右:参考B図

第7図

第5図から▲35歩△同飛▲44角△同歩▲同馬と進んだのが第6図です。非常手段的に王手飛車をかけてなんとか粘りに行っている局面ですが、ここで相手の合駒は重要な問題でした。

実戦は△53銀と打ち、▲35馬に△29角▲同玉△37歩成で切り返してきましたが、以下▲53馬△同金▲31飛(第7図)とさらに切り返す手があり、この辺りで形勢が入れ替わったようです。

▲44同馬には△53角か△62角と合駒するのが良く、▲35馬△同角▲31飛△61銀▲35飛成で技が掛かったようですが、△37歩成▲同竜に△36歩(参考B図)とたたく手が素朴に厳しく、後手がリードをキープできていたようです。

 

左:第8図 右:参考C図

第7図から少し進んで第8図。△53銀と受けられた局面で先手に決め所のチャンスが回ってきました。ここは▲92歩が好手です。△同香なら▲71馬△同玉▲91銀と挟み撃ちして寄り形ですし、△62銀引と馬を取っても、▲同銀成△同銀▲91歩成(参考C図)があります。△同玉なら▲93香成△同桂に▲82銀から詰み筋です。

しかし本譜は好手を見つけられずに▲52馬と逃げてしまいました。これでは△76角と飛車を取り切られて変調です。

 

左:第9図 右:第10図

第8図から少し進み、第9図は攻防に桂を据えた局面です。色々駒が当たっており、混沌としています。ここで△26歩や△78竜のように先手の守備駒に働きかけてプレッシャーを掛けておく手は有力でした。

本譜は△65角と逃げてこれも自然な手ですが、▲37玉△44銀に▲24竜△35歩▲44竜△36歩▲同玉(第10図)で上が開ける展開となり、再び先手が指しやすくなりました。こうなると先手玉が捕まるようなことはほぼなく、攻めに専念でき押し切ることができました。

 

最後に評価値です。

評価グラフ(将棋倶楽部24 棋譜分析サービスより)

 

後手横歩取り(対▲3六飛型)の研究16(fin)

前回の記事は↓こちら↓

 

 

今回は、前回予告した通り、第69図から▲3三角成とする変化から考察します。

 

 

再掲第69図

 

 

第69図からの指し手③

▲3三角成(第73図)△同桂▲8八銀△7三桂▲7七銀△6五桂▲6六銀△8八歩(結果28図)

左:第73図 右:結果28図(-420)

参考28図

先手が▲3三角成と角を替える順を見ていきます。少し早めに映りますが、自分の実戦でもやられた手なので記録しておきます。▲8八銀△7三桂に▲7七銀は自然ですが、すかさず△6五桂が成立します。

▲6六銀に△8八歩(結果28図)が手筋で、仮に▲同金なら、△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△7六飛▲7七歩に△5七桂成▲同玉△4五桂(参考28図)で潰れています。▲6八玉は△5七角、それ以外なら△6六飛▲同歩△7九角の要領です。

 

第69図からの指し手④

▲7七角(第74図)△7三桂▲6八銀△7五歩▲同歩△7七角成▲同銀△3三桂(結果29図)

左:第74図 右:結果29図(-175)

先手は▲7七角(第74図)と上がる手も考えられます。持久戦を目指すこの手法は、少し評価値を落としますが割と有力だと思います。

▲6八銀に△7五歩▲同歩を入れるかは難しいところで、もちろん単に△7七角成とするのも有力です。△7五歩を入れれば▲6六角の筋は消えますが、▲7四歩△同飛▲5六角のような筋が生まれているので一長一短です。

結果29図はまだ序盤の序盤ですが、手が広く手将棋になりそうです。ソフトの一例を挙げると、▲6六銀△4四角▲3六飛△2七歩や▲9六歩△6五桂▲6六銀△8六歩などがあります。

 

第37図からの指し手③

▲4六歩(第75図)△7五歩▲同歩△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△7六飛▲3三角成△同桂▲7七金△7五飛▲2八飛△2六歩(結果30図)

左:第75図 右:結果30図(-473)

いよいよ最後の変化です。△7四歩に▲4六歩(第75図)とこちらの歩を突いてくる人もいます。△8六歩▲同歩△同飛なら▲4五歩と突いておけば3筋の歩を突いていないので△5五角打や△4四角打の筋がありません。そこで、▲3八銀型への鉄板の仕掛け△7五歩▲同歩△8六歩を決行します。

△7六飛には▲3三角成〜▲7七金という実戦でやられた手を一例に見ていきます。▲3六歩と突いていたときは△3六飛とかすめ取る手を含みに△2五歩を入れておくのが得でしたが、今回は△2五歩▲2八飛△4六飛には▲5五角があるので、単に△7五飛と引くほうが勝ります。

次に△4四角があるので▲2八飛と引くのは自然ですが、△2六歩(結果30図)と垂らしておいて後手十分になります。▲同飛は△4四角、放置するのも△2五飛と回る手があるので主導権を握れそうです。

 

 

以上で後手横歩取り(対▲3六飛型)の研究を終わりにします。