週刊はるん(2月第1週)

 目次

 ①対局振りかえり

対局情報 2021.1.30 14:51 通常 10分 kanata555 vs harungun

棋譜 https://shogiwars.heroz.jp/games/kanata555-harungun-20210130_145151

 

初手からの指し手:▲26歩△34歩▲25歩△33角▲76歩△44歩▲48銀△42飛▲56歩△32銀▲58金右△94歩▲96歩△72銀▲68玉△64歩▲78玉△74歩▲66角△52金左▲68金寄△62玉▲88銀△71玉▲77桂△63金▲79銀△43銀▲89玉△82玉▲78金寄△54銀▲59銀△14歩▲16歩(第1図)

 

いつもの持久戦に

 

今回はharungunが後手。本局は久々に藤井システムを採用。先手が穴熊にしてくれば△73桂~△85桂でシステムを発動させる予定だったが、先手がミレニアムにしてきたので高美濃に組み替えた。第1図でいつもの序盤戦に戻った。

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第1図

 

第1図からの指し手:△84歩▲同角△45歩▲57角△73桂▲68銀△65桂▲同桂△同銀▲26飛△76銀▲55歩(第2図)

 

後手、いきなりやらかす

 

後手はさらに銀冠に組み替えようとして△84歩としたが、57角の利きが効いているのをうっかり。いきなり1歩損での戦いを強要されてしまった。とはいえ、まだ評価値に大きな差がついていなかったのが幸いした。気を取り直して△73桂~△65桂で桂交換をしながら銀を進出させて歩損を回復させた。先手も飛車の横利きを生かして銀を追い返そうとして第2図へ。

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第2図

 

第2図からの指し手:△46歩▲同飛△同飛▲同歩△86歩▲同歩△55角▲77歩△65銀▲45飛△54歩▲42飛成△83歩(第3図)

 

大さばき

 

第2図で①△85銀は▲86歩、②△65銀は▲77桂が気になる。③△75歩は有力で、▲同角△85銀となり、「大駒は近づけて受けよ」に沿った手になっている。本譜は④△46歩と、飛車交換を挑んだ。飛車交換後の△86歩は、先手からの▲86飛を消しつつ玉頭戦の味付けとなる1手。ただ、▲77歩で銀を追い返され、▲45飛~▲42飛成で先に竜を作られて、まだ互角ながらあまり面白くない展開にしてしまったか。△83歩は悔しいが、▲84桂を消して自分からは崩れないように努めた。

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第3図

 

第3図からの指し手:▲95歩△同香▲92歩△同香▲93歩△同香▲85桂△75桂▲93桂成△同玉▲95香△94歩▲同香△同玉(第4図)

 

玉の露出

 

第3図から先手は▲95歩と端から突っかけた。端攻めは基本的に居飛車の権利なので、振り飛車側はとにかく致命傷にだけはならないように受ける必要がある。△95同歩に▲93歩と1歩残す方も有力だったが、本譜は▲92歩~▲93歩~▲85桂で攻めてこられた。対して△94香は▲93角成なので、角筋を止める必要がある。△84桂は▲93桂成~▲85歩が気になったので△75桂と打った。以下△94同玉まで、玉は露出したが、先手の攻めが細いので、かすり傷で済んだのは幸いだった。

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第4図

 

第4図からの指し手:▲43竜△84玉▲53歩△91香▲97歩△94桂▲87香△44飛▲32竜△53金▲85歩△73玉(第5図)

 

ねじり合い

 

▲43竜は油断ならない手。いつでも金をとれる状態にしておき、△95玉などと上がったら▲63竜~▲85金で仕留めてしまおう、という意図だ。それを察知して△84玉としたが、ここは△56桂や△96歩と攻め合ってもよかったようだ(いざとなったら△84歩~△83玉で問題ないとのこと)。

▲53歩の垂らしもまた嫌な一手。△51香と受けても▲52香で攻めがつながっていそう、ということで△91香で勝負した。こちらも、金駒が入れば98に打てる。▲97歩の受けに△94桂。△86桂となれば駒得になるのでここも▲87香と受けるところ。対して△同桂成では攻め切れなさそうなので△44飛~△53桂と面倒を見た。お互いに自分の嫌な手を消し合う、渋い応酬だ。

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第5図

 

第5図からの指し手:▲23竜△43飛▲21竜△56銀▲39角△46飛▲17角△26歩▲23竜△63金▲47歩△同飛成▲26角△44歩▲66桂△49竜▲75歩(第6図)

 

後手優勢に

 

先手は▲23竜~▲21竜で桂馬を取ったが、後手も△56銀~△46飛で飛車が使えるめどが立った。先手は▲17竜~▲47歩で角を活用しに来るが、△26歩、△44歩でひたすら角筋を止める。対局中はこれで互角と見ていたが、角の働きの差や、2枚の桂が急所に利いていることから後手が優勢になっているようだ。△44歩でお互い右辺から手を出すことは難しくなったので先手は▲66桂~▲76歩で玉頭戦に活路を見出した。

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第6図

 

第6図からの指し手:△87桂成▲同銀△86香▲75歩△87香成▲74歩△82玉▲87金△65歩▲75桂(第7図)

 

ねじり合い一転、攻め合いに

 

第6図での残り時間は、先手1:07、後手2:11。終盤で相手よりも時間を残せれば精神的にも余裕が生まれる。△87桂成▲同銀△86香まではほとんど1本道だが、▲75歩が筋の攻めで、まだ後手が優勢だが実践的にはアヤが生まれている。以下▲87金まではこう進むところだが、続く△65歩が小ミス。ここでは1回△78歩▲同玉を入れてから△65歩だった。これなら次の△66歩~△67歩成が89玉型の時よりも明らかに厳しい。本譜は▲75桂で後手玉も危なくなってきた。受けるべきか、攻めるべきか。

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第7図

 

第7図からの指し手:△62金引▲84歩△73歩▲83歩成△同銀(第8図)

 

弱気な手を重ねて逆転

 

第7図から△62金引としたが逸機。▲84歩に△73歩も悪手、と2手連続で弱気な手を重ね、いよいよ逆転してしまった。△62金引では△66歩と取り込む手があった。▲63桂成にはなんと△78銀▲同玉△86桂打▲同金△67歩成▲87玉△77角成▲同銀△同と▲同玉△79竜(A図)という順で詰んでいるのだ。ただ、こんな長手詰めは時間があっても読めなかったので厳しかった。

また、△73歩では、強くいくなら△66歩、受けるなら△84同歩が有力だった。△66歩は先ほどの詰み筋を見ているものだが、後手玉も▲83歩成で相当危険な格好で、選びづらいか。△84同歩も以下▲73歩成△同金▲74歩で相当怖い。どちらにしても、危険な変化を選ばなければいけない局面だった。

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A図

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第8図

 

第8図からの指し手:▲84歩△同銀▲73歩成△同金▲74歩△72金引▲83歩△93玉▲63桂成(第9図)

 

再逆転

 

▲84歩は一見筋がいい手に映ったが、ここで互角に戻ってしまった。ここは▲83同桂成で問題なく、△同玉▲73歩成△同角▲74銀と押さえつけられていれば後手が勝てなかっただろう。少し進んで▲74歩でいよいよ後手が再逆転に成功。▲74香なら72に金が戻れないので、本譜より勝った。

本譜は▲63桂成まで、かなり迫られ、▲72成桂とされれば受けなしになるが…

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第9図

第9図からの指し手:△86歩▲72成桂△78銀▲同玉△87歩成▲同玉△86歩▲77玉△87金▲76玉△79竜▲同銀△77金打(投了図)まで140手で後手の勝ち

 

1手勝ちを決める

 

△86歩と打って先手の勝ち筋に入った。▲88金としても△87銀と押さえつければよい。

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投了図

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評価値

 

詰将棋

解答の際の注意点

一、A問題は1~7手詰めまで、B問題は3~9手詰めまでが出題範囲です

一、ptはA問題正解…0.8pt、正解(誤表記あり)…0.4pt、不正解…0pt

    B問題正解…1.0pt、正解(誤表記あり)…0.5pt、不正解…0pt

  ptが並んだ場合、早くコメントした方に0.1ptを加算します

一、解答はどちらか一つでOKです(どちらも解答したらptが高い方を採用)

一、解答締め切りは金曜23:59までとします。

一、X手詰め問題は、「まで○手詰め」と表記してください。(ほかの問題はあってもなくてもよいです)

 

A問題

1、1手詰め

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2、3手詰め

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3、X手詰め

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B問題

1、3手詰め

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2、5手詰め

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3、X手詰め

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先週の詰将棋解答

 

A問題

1、▲31竜

2、▲13桂△同香▲12銀

3、▲46角まで1手詰め

 

B問題

1、▲34香△45竜▲26歩

2、▲32竜△同銀▲24銀△同玉▲13馬まで

3、▲34桂△49竜▲36飛まで3手詰め

 

先週の成績一覧

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週刊はるん(1月第5週)

目次

 ①対局振りかえり

対局情報:2021.1.26 16:46 通常、10分 harungun vs fool09

棋譜https://shogiwars.heroz.jp/games/harungun-fool09-20210126_164633

 

初手からの指し手:▲76歩△34歩▲66歩△32飛▲68飛△62玉▲48玉△35歩▲58金左△72玉▲78銀△52金左▲67銀△34飛▲75歩△42銀▲46歩△44歩▲56銀△33桂▲47金△43銀▲65歩△14歩▲16歩△13角▲66飛△62金直▲38銀△54銀▲76飛△82飛▲39玉△12香▲28玉(第1図)

 

振り飛車

 

出だしは先手の四間飛車に後手が三間飛車で対抗。多少の駆け引きがありつつ、最終的には先手が▲66飛~▲76飛と振りなおし高美濃に、後手は石田流に組み替え金無双、という形に落ち着いた。

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第1図

 

第1図からの指し手:△36歩▲同歩△45歩▲同歩△同銀▲同銀△同桂▲46歩△84飛▲78銀△54飛▲56歩(第2図)

 

攻めを受け止める

 

後手は角を使う意味で△36歩で開戦した。▲同金だと57の地点が薄いのが気になるので▲同歩。そして△45歩が△36歩からの一連の突き捨ての筋。以下45で銀交換後、▲46歩で攻めを受け止める。後手はいつでも△37歩から桂交換する順があるため、駒得にはならないが、後の▲11角成などを楽しみに、ひとまず受けに回る。後手は△84飛と回ってきた。対して▲86歩は△87銀、▲86飛は△同飛▲同歩△87飛でまずそうだ。ということで▲78銀と打ったが、銀を使わされたので少し悔しいか。以下△54飛▲56歩にどう指すか。

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第2図

 

第2図からの指し手:△64歩▲同歩△同飛▲67歩△63金▲11角成(第3図)

 

ミスをとがめきれず

 

第2図で△64歩としたがこれが疑問手で先手が大優勢に。ここでは△37歩が最善で、桂交換なら均衡が保てていたようだ。しかし実践は△64歩に▲同歩としたのでまた互角に戻ってしまった。正解は▲11角成や▲33角成でプレッシャーをかけておく順。▲64歩は手抜きするべき歩だった。進んで△64同飛に▲67歩も疑問。▲45歩としておけば優位を確保できていた。△68角成や△68飛成には▲69歩と追い返して問題なかったのだ。

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第3図

 

第3図からの指し手:△66歩▲同歩△57銀▲45歩△46銀成▲12馬△24角▲64香△54飛▲63香成△同金▲55桂△62金▲35金△同角▲同歩△47成銀▲同銀△57金(第4図)

 

先手大優勢に

 

△66歩としたがこの手で先手が大優勢になってしまった。正解はここでも△37歩と桂交換を迫る手順。本譜は△57銀から迫られたが、▲45歩と桂を外して切れ模様にできた。66の地点に馬と飛車が効いてるのが大きい。以下香を拾って金をはがし、▲55桂と大きなくさびができた。相手も角を食いちぎり△57金と張りついてきて勝負してきた。どうするか。

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第4図



第4図からの指し手:▲21馬△47金▲54馬△同歩▲63銀△同金▲同桂成△同玉(第5図)

 

決めに出る

 

第6図では▲77飛などで受け切りを目指す順も考えられたが、1手勝ちできると思い、▲21馬と踏み込んだ。▲54馬~▲63銀で玉を裸にすれば一目は詰みである。その組み立てが功を奏すかどうか、考えていただきたい。

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第5図

 

第5図からの指し手:▲64飛△62金▲64金△72玉▲62飛成△同玉▲52金△同玉▲25角△41玉▲47角△46香▲53金△32玉▲25角(第6図)

 

詰みがない…

 

図の局面ではもう詰みはない。▲61飛~▲64金で迫るものの、△72玉がしぶとく逃れている。

さかのぼって前譜▲63銀に代えて▲63角なら後手玉は詰んでいた。以下△同金に▲42飛(A図)△62歩▲63桂成△同玉▲64金△同玉(△72玉は▲63銀以下詰み)▲62飛成▲63香△65銀まで。

▲63銀ではなく角から行く理由は、銀だと▲42飛の時に△62金の移動合いで逃れているからだ。残り4分弱残していただけに、詰ましきれなかったのは反省。

本譜に戻り▲52金でいよいよ形勢逆転。▲47角で急所の金は外れたが、駒を渡しすぎたので一気に寄せられそう。△46角なら王手金取りで決められていたが、本譜は△46香。これには1回▲53金を入れて▲25角と逃げたが、先手大劣勢には変わりない。投了も時間の問題と思われたが…

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A図

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第6図

第6図からの指し手:△68飛▲58金△同飛成▲同角△22玉▲43金△32銀▲62飛△31歩(第7図)

 

再逆転

 

第6図から△68飛と王手をかけてきたがここで互角に戻ってしまった。▲58金と先手で受けられるのが大きい。△同飛成▲同角で先手玉は怖いがギリギリ詰まない。そして△22玉に▲43金で攻守交代。残り時間も先手1:37、後手0:32なので、攻め続けていれば時間切れも狙えそうだ。

第6図では普通に△49香成で問題なかった。△39角以下の詰めろなので▲38金と受けることになるが、△64角で53の金を払っておけばわかりやすい展開になっていただろう。

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第7図

 

第7図からの指し手:▲33金打△13玉▲15歩(第8図)

 

甘い手

 

第7図からは▲82飛成や▲42飛成も有力だったが、本譜は▲33金打と露骨に迫った。△13玉に▲15歩。詰めろで普通は筋中の筋の攻めだが、ここでは甘い手となってる。

最善は▲15歩に代えて▲32金左が有力だった。これが▲22銀△12玉▲11銀成以下の詰めろとなっており、▲22銀に△24玉を用意する△47銀(角の利きを遮断)も、今度は▲23金△同玉▲33金△同玉▲34銀△24玉▲22飛成△35角▲25竜という順で詰んでいる。なお、最後の▲25竜を消す△47角ならば詰みはないが、▲同角で問題ない。

本譜は▲15歩に対する次の手が明暗を分けた。

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第8図

 

第8図からの指し手:△48銀▲14歩(投了図)まで109手で先手の勝ち

 

ひとマスの違い

 

第8図から△48銀と詰めろを掛けてきたが、後手玉の受けにはなっておらず、▲14歩まで、時間切れという形で勝ちとなった。

図では△47銀があった。こちらは角の利きを止めているので詰めろ逃れの詰めろで激戦だった。以下、▲14歩△24玉▲34金△25玉▲47角△同香成▲26歩△36歩▲27銀△46玉▲82飛成に、△37角などと打ち込めば、後手勝勢だった。

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投了図

 

詰将棋

 A問題

 

1、1手詰め

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2、3手詰め

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3、X手詰め

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B問題

 

1、3手詰め

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2、5手詰め

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3、X手詰め

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先週の解答

A問題

1,▲23馬まで

2,▲31と△同玉▲22銀まで

3,▲21飛成△同玉▲32金△11玉▲33角成まで5手詰め

 

B問題

1,▲45角△同歩(同銀)▲35歩、もしくは▲45角△同玉▲35竜まで

2,▲36馬△同玉▲27銀△47玉▲25角まで

3,▲12銀△同香▲24歩△同桂▲43竜△同歩▲33角成まで7手詰め

 

先週の成績一覧

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