週刊はるん(7月第2週)

今週から対局振りかえりを再開します。

 

目次

 ①対局振りかえり

7/3 vs2段○、vs11級○、vs2段○ 3局中2局が時間切れ勝ちと、内容はあまりよくない。2局目を取り上げる。

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第1図

第1図からの指し手:▲33馬△同桂▲23飛成△37銀成▲同桂△84桂▲67銀△85歩▲77銀△97歩成▲同香△96歩▲75歩△97歩成▲79玉△87と(第2図)

 

味の良い活用

 

角換わりの対右玉戦の中盤戦。後手が△96歩と垂らした局面だが、ここが先手に針が最も触れた瞬間だった。本譜は▲33馬と突進したが、やりすぎで、▲23飛成の瞬間△37銀成~△84桂で先に先手玉に火がついてしまった。

第1図で▲96同香と取ると△37銀成~△84桂が狙いになる。ということで先に▲45桂と逃げてから△32金に▲96香と面倒を見るのが優位をキープする指し方。▲45桂で活用できているのも見逃せない。▲96香に△44角ならば▲同角△同歩▲94歩や、▲84香(△同飛には▲21馬)といった手があり、手に困らなかった。

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第2図

<反省>・優勢な時には手堅く自陣の憂いを消す

 

7/4 vs3段○、vs3段●、vs2段○ vs3段がちょうどいい。2局目を取り上げる。

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第3図

第3図からの指し手:▲68玉△57馬▲59玉△48と▲同飛△同馬▲同玉△49飛▲38玉△69飛成(第4図)

 

王手の対応

 

先手が右四間飛車を匂わせたのに対し、後手が対右四間飛車有力陣形で迎え撃った。第3図はその終盤戦。△76歩の王手にどう対応するか。実戦は▲68玉と逃げたが、下段に落とされ△48とがうまい。清算して△49飛で駒を補充され、1手1手の寄りに。

△76歩には金から離れるようでも▲87玉が正解。対して後手は△86歩▲同玉△85金(▲同玉は△77歩成以下詰み)▲87玉△77歩成▲同玉の追撃が有力で、以下①△76角成、②△76金に分かれる。

①△76角成は▲88玉△66馬左▲89玉(A図)で、歩を使うと▲23飛成や▲61飛の時に合い駒がないので先手玉にこれ以上迫れない。

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A図

②△76金は本譜と同様に▲68玉△57馬▲59玉△48と▲同飛△同馬▲同玉△49飛▲38玉△69飛成(B図)と進むが、本譜と違うのは歩の枚数。▲61飛に対する△41歩がなく、△31金と使わせられる。角竜だけでは先手は迫られないので▲43歩成で先手勝ちだった。

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左:B図、右:第4図

<反省>・攻めに制約を与える王手の回避を。

 

7/5 vs3段○、vs3段●、vs3段○ 3段相手にもようやく戦えるように。2局目を取り上げる。

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第5図

第5図からの指し手:▲28桂△11馬▲33金△36歩▲34金△同玉▲46銀△43玉▲36桂△32玉▲44歩△39飛(第6図)

 

シンプルに決めればいいのに

 

四間飛車対有力陣形の終盤戦。右四間飛車らしく強引に攻めて第5図は先手勝勢。どう決めるか。実戦は入玉阻止の▲28桂だが、△11馬と竜を取られる手が見えておらず、勝利が手からこぼれた。竜を失った先手は急に後手玉を追う手段がなく、大駒3枚に囲まれた先手玉はこの後すぐに寄せられた。

第5図は▲14竜さえ指せていれば先手勝ちだった。△36玉▲47銀△45玉(△27玉は▲39桂△37玉▲49桂まで)▲46歩△同馬▲同銀△同玉▲34竜(C図)となれば誰が見ても先手勝ちになっただろう。入玉を恐れる必要はなく、29歩、19香などがいるおかげで入れない。

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左:C図、右:第6図

<反省>・大駒の利きに注意。

 

7/8 vs2段○、vs3段●、vs3段● 急に来た不調。2局目を取り上げる。

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第7図

第7図からの指し手:△93角▲64桂△41玉▲81飛成△51銀打▲63角成(第8図、投了図)

 

一瞬来たチャンス、掴めず

 

相掛かりの終盤戦。先手にうまく指され、KO寸前だったが、△77金に▲86玉が危険で後手にチャンスがあった。しかし本譜は△93角。これは▲64桂で頓死でひどい。

図では▲64桂がなければ意外と後手陣は持っているので、△73銀が有力だった。対して

①▲81飛成と逃げると、△74桂!▲同歩△64角▲75桂△76金▲97玉△75角以下詰み。

②▲85飛成は△68角(△76金以下の詰めろ)▲81竜△67金▲85玉△84歩▲同竜△同金▲同玉△82飛▲73玉△83金▲65玉に△73金(D図)と自玉を安全にしながら追いつめて後手よし。以下▲67銀には△87飛成の要領だ。

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D図


③▲54飛が最強の応手だが、△53角(△53銀は▲同飛成~▲65桂)▲同飛成△同銀▲63角△42玉▲81飛成に△34歩(E図)と逃げ道を空けておいてどうか。いずれも後手が簡単に負ける変化ではなかった。

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左:E図、右:第8図、投了図

<反省>・負けと思っていても攻防手で相手を楽にさせない指し方を。

 

7/9 vs2段●、vs3段●、vs2段● 完全不調期。2局目を取り上げる。

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第9図

第9図からの指し:▲87金△74飛▲同飛△同歩▲65桂△88角▲88金△75飛▲53桂成△同玉▲86角△62玉▲75角△同歩▲45桂△56歩(第10図)

 

△72金なら通るが…

 

横歩取りの序盤戦。△82歩は将来の飛車交換に備えた手で実戦的。この手が先手の間違いを誘うことになる。実戦は△82歩に▲87金。それで飛車交換から▲65桂と活用したが△75飛がある。▲53桂成~▲86角の間接王手飛車は決めたが、飛車と角桂の交換でこれは△82歩が光っている展開だ。▲45桂に△56歩が厳しく、以下先手の無理攻めを咎め、反撃を食らった。

実は△82歩ではなく、△72金が予定で、それなら▲87金以下▲65桂まで進めて先手よしの結論だった。これは▲82歩と歩を入れられるのが最大の違いだ。これがないため、△82歩には▲45桂とこちらから行くのが正しい。△44歩には▲65桂(△45歩は▲22角成)とゴリゴリ攻めて先手の調子がいい。これは覚えておきたい手だ。なので▲45桂には△62銀と整備して、以下▲24歩△72金▲35飛(F図)で次に▲25飛~▲23歩成を見せてどうか。左辺は、少し変わった手だが、▲89歩~▲65桂と活用する筋もあるので攻めは続きそうだ。

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左:F図、右:第10図

<反省>・細かい違いでの仕掛けの成否を見極める。

 

 

詰将棋

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A問題

 

1,1手詰め

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2,3手詰め

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3,X手詰め

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B問題

 

1,3手詰め

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2,5手詰め

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3,X手詰め

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先週の詰将棋解答

 

A問題

1,▲13角成まで

2,▲21金△同玉▲11竜まで

3,▲23角不成△11玉▲12歩△22玉▲32竜まで5手詰め

 

B問題

1,▲56銀△同馬▲64馬まで、もしくは▲56銀△同と▲35竜まで

2,▲23飛△同香▲34竜△同玉▲35金まで

3,▲13香△同金▲22角△12玉▲13角成△同玉▲23金まで、もしくは▲13香△同金▲22角△12玉▲13角成△同桂▲22金まで7手詰め

 

先週の成績一覧

 

解答者なし

 

③中盤問題解答

 

1,▲84歩△同歩▲83歩△同銀▲82歩△同玉▲71銀

82の銀に働きかけるとしたらまず▲84歩は突いてみたい手。△同歩に▲83歩と叩きます。これを△同玉はもちろん▲81飛成ですから△83同銀と取ります。ここですぐに▲71銀も考えられますが、▲82歩△同玉を利かせて▲71銀がよりスマートでしょう。以下△92玉には▲62銀成で十分です。

なお▲83歩に△93銀は▲82銀△同銀▲同歩成△同玉▲71銀でこれは先手が1歩得した勘定になります。

 

2,▲97桂△25歩▲85桂

問題図から▲74歩△同歩▲同飛△73歩▲76飛の歩交換も大きな手ですが、ここではもっと機敏に動く手があります。▲97桂と跳ねるのが後手陣の急所を突く第1歩。対して△84歩と桂跳ねを防ぐなら▲74歩△同歩▲同飛と84の歩を狙って十分です。いつでも飛車先を切れるために9筋に桂を跳ねるのです。

△25歩と2筋交換を狙う手には▲85桂が継続手。以下△84歩には▲93桂成の軽手があり、△同香でも△同桂でも▲94歩で端が受かりません。

 

3,▲45歩△76歩▲66角△86飛▲88歩

問題図で▲64歩は△76歩で後手の攻めの方が速いです。以下▲63歩成は△77歩成で先手敗勢、▲66角は△64歩で先手の飛車先が重く勝ち目がありません。▲45歩とこちらに手を付けておけば、△76歩には以下手順に受けて▲88歩まで進むと後手に速い攻めがなく、▲44銀のすり込みが残る先手ペースです。

なお、問題図で▲75同歩は△76歩以下▲同様に進み▲88歩に△54歩と打たれて先手の銀の行き場所がありません。