週刊はるん(3月第4週)

 目次

①対局振りかえり

今週も将棋ウォーズから書きがいのある将棋がなかったので24から取り上げます(この対局もあまりいい出来ではなかったですが…)。

 

対局情報:2021/03/015 20:35 1手30秒(1分の猶予時間あり) yo8181 vs harungun

棋譜

youtu.be

 

初手からの指し手:▲76歩△34歩▲26歩△84歩▲22角成△同銀▲88銀△62銀▲77銀△32金▲68玉△42玉▲78玉△64歩▲48銀△63銀▲68金△74歩▲46歩△73桂▲47銀△14歩▲16歩△81飛▲36歩△62金▲37桂△54銀▲29銀△65歩▲38金△94歩▲96歩△64角▲59飛△33銀▲56歩△44歩(第1図)

 

1手損角換わり

 

本譜は1手損角換わりの出だしになり、先手の▲78玉型に後手の流行形で対抗。実はこの対局の前にも同じ方と戦っていたのだが、その時も相手の1手損角換わりになっていた。その対局は相手の片矢倉に対し、私が▲78玉型を使い、勝利した。

後手は、△85歩を保留し、△65歩~△64角で先手の攻めをけん制する。△85桂の余地がある分、相性が良い形と言える。角を手放すが、この形が好きなのでよく使っている。

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第1図

 

第1図からの指し手:▲86銀△85桂▲88玉△31玉▲78金△22玉▲48金△12香▲38金△11玉▲68金△22銀▲78玉△31金▲25歩△82飛▲29飛△52金▲24歩△同歩▲同飛△43金▲29飛△23歩▲59飛△42金引▲88玉△52金▲78玉△63金▲29飛△32飛▲25飛△92香▲58金△93香▲48金左△72飛(第2図)

 

開戦せず

 

第1図で先手は▲86銀。△85歩は△85桂が消えるので△85桂だが、攻めが膠着状態となった。持久戦になった時の形は△43銀~△54歩として銀矢倉に組み替える順だが、59にいる飛車のせいで、△43銀の瞬間に▲55歩~▲56銀と盛り上げられるので、銀冠に組んだ。先手も玉と金の動きでバランスを保つ。そして飛車の動きが素晴らしく、2筋交換を許し、先手に主導権を握られた。

第2図の先手陣は異様な光景である。玉の周りに金銀がいない。しかし、先手に打ち込みが少ないのに対し、後手陣は駒が上ずっている感があり、打ち込まれ放題で、先手の作戦勝ち。いよいよ先手は角を打っていく。手数76手の長い長い序盤戦が終わった。

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第2図

 

第2図からの指し手:▲61角△73飛▲34角成△75歩▲同歩△同角▲同銀△77歩▲68玉△75飛▲79歩(第3図)

 

先手有利

 

▲61角が当然ながら厳しい。△32飛は▲83角成があるので△73飛成だが、穴熊の頭に馬ができたのは大きい。ゆっくりしていられない後手は角銀交換であばれるが、攻めが足りない感は否めない。

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第3図

 

第3図からの指し手:△88銀▲44馬△79銀不成▲58玉△43歩▲34馬(第4図)

 

逃した勝負手

 

本譜後手は△88銀と打ったが、ここでは△78歩成という勝負手があった。▲同歩に△59銀が継続手である。以下、▲同玉△78飛成で、△89竜~△77桂不成と攻めを足していい勝負だった。本譜は少し重い攻めになってしまったか。

続く△43歩でも△33歩と受けた方がよかった。先手を取れないのは悔しいところだが、飛車先突破は確定しているので玉をしっかり固めておこう、という意図である。

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第4図

 

第4図からの指し手:△78歩成▲55歩△68銀成▲49玉△89と▲39玉△99と▲54歩△24香▲同馬△同歩▲同飛△79飛成▲28玉△33銀▲23飛成(第5図)

 

入城

 

後手は△78歩成から飛車を成り込んだが、▲54歩と銀を取り切られたのは痛い。後手は△24香から大駒を取る順に期待したがどうだったか。ここは歩切れが懸念材料なので△同金としておきたかった。そこから△24香を入れれば難しかった。本譜は▲28玉と上がって、序盤のバラバラ感から見違えるような堅さになった。

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第5図

 

第5図からの指し手:△22金▲27竜△54金▲23歩△32金▲22銀△同銀▲同歩成△同金▲23歩(第6図)

 

先手勝勢

 

△22金。この局面でやってはいけない手を指してしまった。普通に▲27竜と引かれ、目標にされてしまった。あいにく歩切れのため、△23歩と打てないのだ。△54金と回収したものの、当然▲23歩を打たれ、以下は自然にはがされる展開に。先手勝勢。

ということでここでは歩切れ解消の△54金が正解。やや苦しいながら、簡単に崩れないようにして粘った方がよかった。

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第6図

 

第6図からの指し手:△88角▲22歩成△同角成▲23歩△26歩▲22歩成△同玉▲26竜△23歩▲24歩△同歩▲34銀△32玉▲24竜△42玉▲63角△52銀▲22竜△32歩▲81角成△27歩▲同竜△33桂▲21竜△41桂▲62金△27歩▲同金(投了図)まで147手で先手の勝ち

 

完敗

 

第6図で△23同金▲同竜△22銀と埋めた方が手数は稼げていたかもしれないが、そんな闘志はなくなっていた。△88角で角金を取られる展開ではっきりした。相手の寄せは完璧で、金駒を渡さず攻め合いにもさせない圧倒ぶり。投了図は文字通りの「指す手無し」で完敗だった。

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投了図

 

詰将棋

 

A問題

 

1,1手詰め

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2,3手詰め

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3,X手詰め

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B問題

 

1,3手詰め

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2,5手詰め

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3,X手詰め

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先週の詰将棋解答

 

A問題

1,▲23角成まで

2,▲14銀△同玉▲12飛成まで

3,▲33銀△同馬▲13馬△同桂▲21金まで、もしくは▲33銀△同馬▲13馬△同玉(△11玉)▲12金まで5手詰め

 

B問題

1,▲25竜△同玉▲36竜まで、もしくは▲25竜△同銀▲34竜まdもしくは▲25竜△同桂▲12竜まで

2,▲16飛打△同と▲27銀△同と上▲16飛まで

3,▲33銀成△同銀▲12角△同玉▲34馬△同銀▲22金まで7手詰め

 

先週の成績一覧

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