週刊はるん(2月第2週)

目次

 ①対局振りかえり

対局情報 2021.02.07 11:16 通常 10分 Black_ghost2019 vs harungun 

棋譜https://shogiwars.heroz.jp/games/Black_ghost2019-harungun-20210207_111638

 

初手からの指し手:▲76歩△34歩▲66歩△42飛▲48銀△62玉▲56歩△52金左▲26歩△32銀▲68玉△72玉▲78玉△82玉▲96歩△94歩▲57銀△72銀▲86歩△84歩▲87玉△74歩▲68銀△83銀▲25歩△33角▲77銀△72金▲78銀△44歩▲79角△43銀▲58金右△64歩▲36歩△45歩▲37桂△54銀▲67金△63金▲16歩△14歩(第1図)

 

四枚美濃vs銀冠に

 

本局は先手四枚美濃に後手四間飛車から銀冠に組み替えた。四枚美濃は組みあがれば銀冠を上回る耐久性があり、場合によっては端玉銀冠に組み替えることもできるので本当に優秀な囲いだと思う。ここからは2筋の攻防が始まる。

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第1図

 

第1図からの指し手:▲24歩△同歩▲55歩△同銀▲24角△65歩▲33角成△同桂▲21飛成(第2図)

 

機敏な仕掛けで先手リード

 

▲24歩△同歩と突き捨てて▲55歩がうまい仕掛けだった。対して、△同角▲24飛△22歩と進めるのが有力だったが、△55同銀と取ったので今度は▲24角が成立してしまった。対して、普通は△22飛で難解、という結果だったが、55を突き捨てている効果で、▲33角成△28飛成▲55馬の2枚替えがある。これは四枚美濃が生きやすい展開だろう。ということで△65歩と攻め合ったが、角交換から▲21飛成で竜を作られては先手苦戦は明らかだ。

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第2図

 

第2図からの指し手:△66歩▲同銀△同銀▲同金△85歩▲同歩△65歩▲同金△64歩▲65金(第3図)

 

玉頭戦にスイッチ

 

66の地点で清算が行われた後、「悪い時は複雑に」で△85歩として逆転を狙う。ここで▲55角なら王手桂取りがかかって悪かったが、▲同歩で許してもらえた。ここで単に△64歩の方がよかったと思うが、先手を取りに行って△65歩。これも▲55角で悪そうだがここも許されたので△64歩と打って事なきを得た。それでも先手有利なのには変わりないのだが…

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第3図

 

第3図からの指し手:△75歩▲11竜△48角▲77銀打△76歩▲同金△75銀▲同金△同角成(第4図)

 

先手優勢

 

竜を作られ忙しい後手はとにかく攻めるしかない。△75歩(▲同歩は△54角)と突き捨てたが、▲11竜と逃げられ、△48角の両取りに▲77銀打が手厚い。△76歩▲同金に△37角成だと▲84香で攻め潰されそうな予感がしたので、△75銀から馬を作るルートに予定変更した。だが、香損の上に85の拠点も残っていて先手が優勢だ。

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第4図

 

第4図からの指し手:▲76香△65馬▲66歩△32馬▲84歩△同銀▲83歩△92玉(第5図)

 

攻め切られるか

 

第4図では▲76歩や▲86銀が手堅かったようだが、本譜は▲76香で強く打ってきた。対して後手は△65馬~△32馬で防戦一方のようだが△75歩の楽しみに期待して我慢。

△32馬には▲71角△92玉▲95歩の攻めも有力に映ったが、本譜の▲84歩~▲83歩も筋中の筋でなかなか厳しい。▲83歩に対して△同金は▲71竜があるので△92玉。後手は厳しいが、何とか自滅しないように、決め手を与えないように粘っている。

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第5図

 

第5図からの指し手:▲82銀△21歩▲12竜△75歩▲32竜△同飛▲41角△62飛▲63角成△同飛▲74金(第6図)

 

形勢乱高下

 

▲82銀。これはソフトの次善手で厳しい追撃だ。しかし、△21歩と竜を止めた手に対する▲12竜が疑問手で互角に戻っている。ここでは▲51角、あるいは▲82銀を入れずに▲51角が有力だったようだ。飛車銀両取りだが、銀取りを受けると▲42角成△同馬で馬筋が逸れるので▲72香成がおいしい。本譜の▲12竜には、△76馬▲同銀△12飛なら飛車を素抜けるので均衡が保てている。しかし、△75歩と打ってしまったために再び先手が優勢になってしまった。

少し進んで▲74金では▲73歩という決め手級の手があったようだ。△同桂は▲74金、△83金は▲81銀成という要領だ。本譜の▲74金も飛車銀取りで自然なようだが、互角に戻っている。

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第6図

 

第7図からの指し手:△85飛▲86銀△同飛▲同玉△85銀打▲77玉△76歩▲67玉△74銀▲32飛△62金打▲33飛成(第7図)

 

玉頭戦を制する

 

第6図で△85飛が狭いようだが歩の裏を突いた攻め。以下△74銀まで、飛車を取られた代償に玉頭の厚みを築くことができ、いよいよ逆転模様だ。▲32飛には△62香と安い駒で受けた方が後の攻めが楽だったが、本譜は△62金打で寄らない形を作った。▲33飛成はこの瞬間竜の働きが鈍るのでここがチャンスである。

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第7図

 

第7図からの指し手:△65歩▲58玉△46歩▲同歩△66歩▲64歩△同飛(第8図)

 

後手に攻めのターン

 

第7図では△83飛と駒を根絶やしにする手もあったが、後手の残り持ち時間が2:08だったので本譜は△65歩で攻め合い志向に。▲58玉の早逃げに△46歩はそれっぽい手だが疑問手か。▲31竜とそっと入られて怖い思いをしたかもしれない。△46歩に代えてはやはり△83銀や△83飛と根絶やしにして安全勝ちを目指すのをソフトは推奨する。

本譜は△66歩~△64同飛まで進んで後手が優勢になっているが、対局中は先手玉が右辺に広い形であり、まだまだ難しい形勢と感じていた。

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第8図

 

第8図からの指し手:▲55角△54香▲56歩△55香▲同歩△56角▲59桂△38角成▲65歩△同銀▲31竜△67歩成▲同銀△61歩▲88香△86歩▲95歩△83玉▲81銀不成△66銀▲同銀△同飛▲67歩△56飛(A図)▲57銀△49角▲68金△58金▲同金△同角成▲同玉△49銀▲68玉△57飛成▲同玉△58金(投了図)まで144手で後手の勝ち

 

攻めを余す

 

第8図で▲55角と打ってこられた。△54飛なら▲91銀成で手が続くが、角筋を通さない△54香があり、後手勝勢に変わってしまった。第8図では▲31竜と入っておいて△61香と受けさせてから▲55角などの方がアヤがあったかもしれない。

本譜は角を取ってから△38角成として、相手の粘りもあり時間はかかったものの、△56飛(A図)で詰み筋に入り、何とか勝つことができた。

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A図

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投了図

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評価値

 

詰将棋

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A問題

 

1、1手詰め

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2、3手詰め

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3、X手詰め

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B問題

 

1、3手詰め

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2、5手詰め

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3、X手詰め

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先週の詰将棋解答

 

A問題

1、▲36角まで

2、▲21金△同玉▲41竜まで

3、▲12飛△同玉▲24桂△11玉▲23桂不成まで5手詰め

 

B問題

1、▲25歩△15玉▲24歩もしくは▲25歩△34玉▲44とまで

2、▲25銀△26玉▲27香△15玉▲28金まで

3、▲21角△同玉▲11飛△同玉▲23桂不成△21玉▲11香成まで7手詰め

 

先週の成績一覧

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