目次
①対局振りかえり
対局情報:2021.1.20 15:48 通常 10分 harungun vs naka_p
棋譜:https://shogiwars.heroz.jp/games/harungun-naka_p-20210120_154844
初手からの指し手:▲76歩△84歩▲68飛△34歩▲66歩△62銀▲48玉△42玉▲38玉△32玉▲28玉△94歩▲96歩△54歩▲78銀△52金右▲38玉△14歩▲16歩△53銀▲58金左△24歩▲26歩△23玉▲27銀△32銀▲36歩△44銀▲38金△85歩▲77角△31角▲67銀△33銀引▲65歩(第1図)
持久戦に
本局は先手四間飛車に対し、後手が天守閣美濃から四枚美濃に組み替えて対抗し、堅さvs堅さの戦いに。先手は▲46歩~▲36歩~▲47金の高美濃ではなく、▲26歩~▲27銀~▲38金で銀冠に組み替えた。そして▲65歩(第1図)で角道を開けたところで戦いが始まった。
第1図からの指し手:△86歩▲同歩△同角▲88飛(第2図)
8筋の攻防
相手が△86歩として開戦。以下▲同歩△同角に▲同角は△同飛▲88歩に△55角や△79角と打たれて失敗する。そこで、▲88飛はこの1手。△77角成なら▲82飛成がある。この攻防は部分的に良く出てくるので覚えて損がない。▲88飛以下△85歩▲66角△53角▲84歩△86歩と進むのがよくある進行。本譜もその順を読んでいたのだが…
第2図からの指し手:△87歩▲同飛△64角▲同歩△87飛成▲63歩成△同金▲88歩△82竜▲56銀△69飛▲67角△79飛成▲35歩△同歩▲34歩△44銀(第3図)
好手①△87歩
飛頭の歩の△87歩が好手。対して飛車を横に逃げるのは△77角成▲同桂△88歩成があるので▲同飛とするが、△64角が一連の順で駒をさばかれてしまった。なお、単に△64角だと88飛に角でひもがついているので失敗する。飛車角交換後、1回▲63歩成で陣形を乱してから▲88歩で竜を追い返す。そして▲56銀で後手玉にプレッシャーを掛けつつ▲67角と設置して2枚飛車対2枚角の構図がはっきりした。さらに、攻め合いの形に持っていくために、▲35歩と天守閣美濃の弱点を突いてみる。△同歩▲34歩に①△同銀や△42銀は▲11角成、②△22銀は▲25歩△同歩▲24歩、③△同玉は▲45銀で攻めが続く。よって④△44銀と逃げ、互角。ここでどう指すべきか。
第3図以下の指し手:▲45銀△66歩▲同角△55銀▲33歩成△同玉▲34銀△42玉(第4図)
好手②△66歩
29秒考えて▲45銀と出たが疑問手。ここでの最善手は▲48金左と割打ちを防ぎつつ玉を固める手。また、△77竜▲同桂△66歩のときに▲49角と逃げる余地があるのも大きい。ただ、ここで1手手待ちをするのはあまり考えられないというのが正直なところ。そこで、分かりやすい代案として次善手である▲46歩を推したい。攻めにも厚みが出るし、▲48金左よりは指せていたかもしれない。以下△77竜▲同桂△66歩で後手ペースだが、後の▲45銀や▲45歩もなかなかの迫力になる。
戻って▲45銀に△66歩が好手。単に△55銀と逃げるよりも、先手の角を呼び込んでいる分先手が忙しくなる寸法だ。勢い▲33歩成と攻めるが、あと一押しが足りない。はっきり非勢を感じていた。
第4図からの指し手:▲75角△64銀▲66角△55銀▲75角△64金▲97角△86歩(第5図)
抑え込まれる
劣勢の先手は、▲75角△64銀▲66角△55銀と進行させた。このまま千日手になればごまかしになるが、当然そうはならない。2回目の▲75角に△64金とされ、▲97角△86歩で角が機能不全に陥った。とはいえ、まだ評価値は−779で、頑張れなくもない形勢である。そう、次の勝負手を指せれば…
第5図からの指し手:▲23銀成△66歩▲34角△44銀▲24成銀△33桂▲46歩(第6図)
双方にミス
図では何が何でも▲87歩だった。竜取りなので△69竜とかわすが、▲86角で角を復活させて難しい。以下△66歩▲45角△58竜で金は取られるが、▲65歩と打ち返すともう激しい終盤戦になる。
しかし、本譜▲34角に△44銀が疑問で少し差が縮まった。正着は△69竜で、以下▲48金左△67歩成で攻め合い勝ちが見込めたか。
しかししかし、先手の次の▲24成銀も疑問手でまた大劣勢に。ここも正着は▲87歩。
そしてまたしかし、後手の次の手の△33桂も疑問手。先手の次の手の▲46歩も疑問手。お互いが正着である▲87歩と△69竜を指せなかったことによって、形勢は乱高下していった。ちなみに▲46歩での形勢は、−955で後手優勢。
第6図からの指し手:△69竜▲48金左△67歩成▲87歩△57と▲同金△87歩成▲64角△同竜▲65歩△同竜▲83歩(第7図)
大駒の攻防
ここで正着である△69竜を指してきた。というより対局者心理では「3筋方面の折衝が一段落したので竜を活用した」の方が正しい。
△67歩成に遅ればせながら▲87歩。ただ79に竜がいないので厳しさには欠ける。△同歩成は▲64角なので△57と、と金を上ずらせながら竜の利きを通して金にひもを付けたのが味が良い一着。以下△64同竜までは一本道。そこで▲65歩と叩いてみた。竜を逃げるのは竜が先手陣であばれなくなるので、△同竜と取るところ。そしてもう一本83歩と叩いた。逃げれば利きが半減するが…
第7図からの指し手:△83同竜▲56角△同竜▲同金△23歩▲34成銀△78角▲67歩△89角成▲62飛△52桂▲44成銀△同歩(第8図)
後手に失着
▲83歩のたたきに△同飛と取ったのが痛恨の失着で互角に戻ってしまった。▲56角で間接両取りになってしまったからだ。勢い△同竜~△78角まで進めるが、▲67歩で大丈夫(△同角成は▲62飛で王手馬取り)。
図では△62竜寄で問題なかった。▲66歩で止めるが、△63竜引などとしておいて先手は二の矢がない。
本譜は奪った飛車で後手玉を少し狭くできたが、どこを攻めるのがよいか。
第8図からの指し手:▲53歩△51銀▲52歩成△同金▲61飛成△72角▲64竜△53金▲65竜△64歩▲35竜△67馬▲57金打△49馬▲34歩△43金▲33歩成△同銀▲75桂△86竜▲63銀△61角▲45歩(第9図)
未だ互角の分かれ
先手は▲53歩と打ったが、あまり効果的な攻めにならなかった。△51銀~△72角~△64歩と自陣にペタペタ打ち付けられ、まったく寄らなくなってしまったのだ。ここでは▲34歩とこちらの桂頭を攻めるのが勝った。次に、▲33歩成△同銀▲63飛成となれば▲53歩と打った本譜に比べ明らかに攻めやすい。
本譜は長い将棋になったが、△49馬と潜られこちらの玉にもプレッシャーがかかってきた。未だに互角である。
第9図からの指し手:△34歩▲36竜△77と▲44歩△同銀▲62歩△52角▲同銀成△同銀▲61歩成△88竜▲62と(第10図)
時間に追われる
第9図の局面で、先手の残り時間が1:25、後手が1:21。残り2分を切った辺りからは手の善悪よりも分かりやすさを優先して指していく。後手は竜を追い払って△77と、で竜を活用する。先手は▲44歩でもらった1歩で▲62歩として角を殺しにいく。▲61歩成は、△同銀なら▲63桂成で食いつく狙い。取っていると早くなると見た後手は△88竜で先手玉に迫ってくる。▲62と、まで互角の推移、さあ、ここがクライマックスだ。
第10図からの指し手:△45銀打▲同金△同金▲51角△31玉▲45竜△38馬▲同銀△44歩▲24桂△同歩▲23銀△21金▲34竜△同金▲42銀(投了図)まで155手で先手の勝ち
突然の幕切れ
図で△45銀打としたが、無念の敗着となってしまった。銀が2枚入ったことによって、先手の攻めが切れなくなっている。一方、先手玉は斜め駒を渡さなければ相当詰みづらい形となっている。△44歩には竜を逃げずに▲24桂と決めに行った(▲32銀△22玉▲31角の詰めろ)。▲33銀でも問題ないそうだが、銀を渡すと△39銀の筋がいつでもあるため、自玉を考えなくていい方を選択した。
戻って図では△41銀と平凡に逃げていれば、勝負はどう転ぶかわからなかった。この後手玉を角桂だけで攻めるのは難しいし、先手玉は銀を残しているため△39銀がちらつく。
最後に評価値を。
ちょっと書きすぎてこんなの毎週続けたら死んでしまうので来週からはもう少し簡潔にまとめられるように頑張ります。
②詰将棋
参加者が2名と悲しい状況になったので少し変更を加えます。
1.難易度別にA問題、B問題を用意(Aは1~7手詰め、Bは3~9手詰め)
2.ptは、A…正解→0.8pt、正解(誤表記あり)→0.4pt、不正解→0pt
B…正解→1.0pt、正解(誤表記あり)→0.5pt、不正解→0pt
ptが並んだ場合、コメントが早い方に0.1pt加算。
3.解答はどちらか1つでOK。
4. 解答締め切りは金曜23:59までとします。
A問題
1,1手詰め
2,3手詰め
3,X手詰め
B問題
1,3手詰め
2,5手詰め
3,X手詰め
先週の詰将棋解答
1,▲23竜△同馬▲35歩まで
2,▲25角△同歩▲36竜△同竜▲17金まで
3,▲23飛成△同玉▲14竜△同玉▲24角成まで5手詰め、もしくは
▲23飛成△同玉▲14竜△12玉▲31角成まで5手詰め
先週の成績一覧